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景気刺激策としての暫定税率廃止

 「強行採決」した法案の「再議決」は、「強行採決」の上塗りであり、「強行採決」とその性質、形状は同じである。

 これは、与党の自民党と公明党が4月30日に再議決を画策しているガソリンの暫定税率復活に関する国民の視線である。

 3月31日に期限が切れたガソリン1リットルあたり25.1円の上乗せ税率を加算するという「暫定税率」の税制改正関連法案(もとは、いわゆる租税特別措置法案)つき、与党側は、野党側の意見を封じ、強行採決により可決している。しかし、ねじれ国会と言われるゆえんの、野党側の議席数が多い参議院では、この法案は野党側の反対多数により、否決されているのだ。

 ところが、この参議院で否決された税制改正関連法案を与党の自民党と公明党は、憲法の規定をたてに取り、4月30日に衆議院で再議決して成立させようとしている。この法案は、衆議院での強行採決法案の再議決であるから、その性質は強行採決と同視すべきであり、野党側の民主党、共産党、社民などとの意見のすり合わせが未了であるという点でも「強行採決」というべきである。

 ガソリンの1リットル当たり25.1円の暫定税率は、道路特定財源という無駄な使われ方が目立つ財源にあてられてきた。この財源を維持するために再議決で25.1円の上乗せ税を再度復活させることには、多くの世論調査で国民の大多数が反対であることが分かっている。

 今、食料やガソリンや原材料等の高騰が、家計や企業業績に悪影響を与えている中で、この現状を打破するために、「減税」という景気刺激策は必要であり、効果がある。この「暫定税率」の廃止は、減税効果として大きな景気刺激策になっているのではないか。公共交通機関の廃止が相次いでいる地方では、この暫定税率の廃止で一息ついている家庭や企業が多いのではないか。政府与党側は、景気刺激策の観点からも、この「暫定税率」を再検討し、廃止に持っていくべきである。

まして、ねじれ国会の現状では、衆議院で多数を占めている与党側は、参議院で多数を占めている野党側を無視して法案の強行採決などすべきではない。これでは、日本の民主主義が泣く。その上、国民は「強行採決」には強い嫌悪感を抱くであろう。ここでは、与・野党の意見のすり合わせが必要である。

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福田内閣は、国会を解散すべきである。

    4月27日に投開票が行われた衆議院山口2区の補欠選挙で、野党、民主党や社民党が推した平岡秀夫氏が、与党、自民党と公明党が推した山本繁太郎氏を大差で破って当選した。ガソリンの暫定税率問題や道路特定財源問題、そして、後期高齢者医療制度問題などが争点となった選挙である。この選挙結果は、国民が、野党、民主党側の政策に支持を表明し、与党、自民党と公明党側の政策に不支持を表明して、審判を下したと見るべきである。

 朝日新聞の出口調査によるとガソリンの暫定税率の復活には、7割もの有権者が反対しているという(朝日新聞4月28日東京本社13版、朝刊第1面参照)。

 ところが、与党、自民党と公明党は、4月30日にガソリンの暫定税率の復活を図る租税特別措置法を強行採決して、成立させることを目論んでいる。衆議院山口2区は、元来、保守王国といわれ、複数の総理大臣を輩出してきた選挙区である。ここで、野党、民主党側が大差で勝利したということは、国民が、与党、自民党と公明党側の政策にノーの意思表示を突きつけたことになる。これは、一選挙区の様相ではない。国民全体に対するサンプリング調査の結果であると認識する必要がある。

 与党、自民党と公明党が、この国民の審判を無視して、ガソリンの暫定税率を復活させる強行採決を目論むとは、民主主義の否定ではないか。ここは、野党、民主党側の政策の主張に国民の絶対多数が賛成している。このまま、与党、自民党側が国会という議会制民主主義の場で強行採決するようなことになれば、今後の国政選挙で、国民は手厳しい審判を下すことになるであろう。与党、自民党と公明党は、議会制民主主義をないがしろにしてはいけない。
 福田内閣は、ガソリンの暫定税率復活のための強行採決などはしないで、国会を解散して、総選挙で民意を問うてから、この問題を再度、国会で審議し、採決すべきである。

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中国人元証券会社員と情報管理

野村證券(証券)の中国人元社員ら3人が、証券取引業法(現在は金融商品取引法)違反(インサイダー取引)の罪で東京地検特捜部に逮捕された事件では、報道によると、その後の調べで、中国人元社員らは46銘柄ものM&AやTOBなどの機密情報を事前に知り、投機的に株式の売買を繰り返し、約5,000万円もの利益を得ていたことが分かった。

この証券会社の社員として知りえた機密情報は、逮捕された3人以外の人や組織に漏洩していなかったのだろうか。一般に中国人は、エスニシティからくるアイデンティティが強固で、エスニック・グループのネットワークを大事にする。そのネットワークにM&AやTOBなどの機密情報が漏れて、利用されていたことも考えられるのではないか。株式市場が、一部の投機的な人間に利用されて、その者たちだけが確実に暴利を得たとしたならば、これほど不公平なことはない。これでは株式市場は、投資家に見はなされて憤死する。

野村證券は、この46銘柄もの上場会社の株式にまつわる機密情報が利用されたインサイダー取引を、個人の犯罪であるとしている。しかし、ここでは、野村證券の証券会社としての顧客の機密情報の管理や従業員の管理が、きちんとされていたかどうかが問題となるであろう。

ここで特に問題なのは、個人が証券会社の社員として知りえた上場会社の機密情報で46銘柄もの株式売買が繰り返されていたということである。そのうえ、この機密情報は、弟や友人にも漏洩していた。これでは、この他にも類似のケースが起こりうるのではないか。そして、それが起きていても、露見しなければ、やり得ということになるのではないか。

中国人元社員らは、この機密情報により、富士通が完全子会社化した富士通デバイスの株式7千株を事前に1,169万円で購入し、多額の利益を得ていることが分かっている。

株式の投機で、事前にその株式相場が上がるか下がるかの情報が分かれば、暴利を得ることはたやすい。しかし、これは、市場の中で一般大衆投資家も巻き込んで、相場が形成されている株式市場にあっては、許されることではない。

今回の野村證券元中国人社員らによるインサイダー取引事件の解明を契機に、関係当局には、この事件の構図とことの真相を詳細に究明し、証券会社のあり方をしっかりと検証してもらいたい。

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人間文化と中国の行状

  大分県の高崎山ではニホンザルの群れの生態を誰でもがすぐ近くで観察することができる。以前、ここに行ったとき、猿の世界の生々しい生存競争の有様を見て、人に生まれたことの幸せを思ったことがある。この猿の世界には、マナーやモラルといったものがなく、他の猿が食べている最中のものを、強い猿が平然と奪い取るという行動があちこちで見られ、食事も平穏にできない猿の世界を、まざまざと見せつけられたからである。

  人間の世界は、動物としての長い歴史の中で、食事ぐらい平穏にできるようにマナーやモラルを醸成させてきた。猿には、動物の歴史が人間と同じくらい長くても、これができていない。これが、猿と人間との文化の大きな違いである。

  この「人のものをとってはいけない」ということと、「父母は大事にしなければならない」ということは、共に、人間が生まれてから後天的に学習する内容であるという。生まれながらにしての人間には、猿と同じように、強いものが弱いものの食べ物を平然と奪うという本能があるのであろう。また、子供は大人になるにつれ、両親とも離れ、父母を顧みなくなることになるのであろう。人間の世界では、これをしつけや教育によって社会的に訓練することにより、人の世界のマナーやモラルができあがってきた。

  さて、そこまで考えてくると、中国はなぜ、東シナ海のガス田を日本との国境線の問題となっている位置に開鑿し、領土を侵略しようとしているのであろうか、ということに思いが巡った。

  今、争乱化しているチベットの民族問題も、中国政府がチベット民族のアイデンティティと宗教を否定し、中華文化を強権的に植え付けようとしていることに対する民族の抵抗運動にその淵源がある。もともとは、ポタラ宮殿を中心に栄えていたチベット民族の領地に中国が攻め入り、チベットの地を中国の領土としたことに起因している。現在、ダライラマを始め、多くのチベット民族が、中国の強権的政治による弾圧から逃れ、インドに亡命政府を樹立している。

  現在、北京オリンピックに向けての聖火リレーが通過する世界の先進国の多くで、中国政府に向けられている抗議行動には、中国政府は真摯に目を開き、耳を傾けて、人権弾圧の態度を改めるべきである。人権弾圧に対する世界の目は、中国政府の「国内問題である」や「内政の問題である」という主張が、世界には通用しないことを示している。

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