HNKには、日本語をもっと正確に表現してもらいたい!!!
最近、気になる日本語表現がある。それは、「なので」が会話文の文頭に出現することである。「なので」は、独立した接続助詞ではない。したがって、漫画的な表現は別として、これが、文頭に出てくるのは、正式な日本語ではありえない。
今朝のNHKテレビを見ていても、「なので」が会話文の文頭にやたらに出てくるのが気になった。これは、ミャンマーの大型サイクロン被害に対する国際社会からの支援受け入れに関するニュース解説の中でである。
「なので」は、「~なので」とは使われるが、文頭に出て使われる言葉ではない。日本語辞書を調べても、『NHK・日本語発音アクセント辞典(新版)』に当たっても、「だから」や「ゆえに」は出てくるが、「なので」という独立した語彙は出てこない。
いくらニュースキャスターとはいえ(正確な日本語を話すアナウンサーとは違うとはいえ)、国が主導する公共放送で、このブロークン・ジャパニーズ(壊れた日本語)が頻出するのはいかがなものであろうか。
この「なので」が口語の文頭に使われるようになった背景には、中学校・高校で学習する数学の証明問題の解答の仕方があるという。証明問題の解答は、理由をつらつらと述べて、「なので」と書いて結論を表現するという。
したがって、「なので」が会話文の文頭に使われ出したのは、「なので」が独立した語彙であるかのように、数学の証明問題の解答の仕方に使われ出した以降であるらしい。これは、日本語教育学の研究を続け、ボランティアの日本語教師をしながら、中学生、高校生を対象とする学習塾を経営している友人から聞いた。
この事実は、日本の国語教育は、国語ばかりではなく、理科や社会、数学をも含めた、体系的な言語規則の統一のもとに行われなければならないことを示している。
それにしても、日本の公共放送を代表するNHKである。日本語に変な流行的表現を蔓延させる元凶をなすべきではない。また、一部で使われている表現を頻出させて、これを日本語表現に固着させるべきではない。日本語表現にはもっと丁寧で、正確な取り扱いをしてもらいたいものである。
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