バックパッカーとアコモデイション
世界の各地に、バックパッカー用の安宿がある。また、安宿が集まる街は、安宿街とも呼ばれる。たとえば、東南アジアでは、タイのバンコクにあるカオサン・ロードや、マレーシアのペナン島はジョージタウンにあるチュリア・ストリートがそれである。オーストラリアのシドニーにも、バックパッカーズ・インという宿があった。いずれも、バックパッカーに人気の場所だ。
特に、バンコクのカオサン・ロードは、所狭しに旅行代理店や日用品や衣料品の店などが通りを占拠し、大勢のバックパッカーや地元の人たちで賑わっている。ジョージタウンのチュリア・ストリートも、夕刻から深夜になると、通りばかりでなく、脇路地にも屋台が繰り出し、バックパッカーや地元の人たちの食事や談笑の場となっているのだ。そして、これらの通り沿いや、脇路地、裏路地に安宿がたくさんあるのだ。
日本にも、世界各地から訪れるバックパッカーで賑わっている地域がある。東京の元・山谷地区である。今ここで、「山谷(さんや)」の名前がなくなりつつあるということがニュースになった。昔の「ニコヨン」と言われた日雇い労働者が集まる場所から、国際色が豊かな、明るいイメージの街に変わりつつあるようである。ここの「簡易宿泊所」が、バックパッカーに人気なのだ。1泊2千円前後で泊まれるという。付近の飲食店のメニューには、英語併記が多くなったようだ。
しかし、最近の円高・ドル安の傾向は、世界のバックパッカーから日本を遠ざけてしまうのではないかと心配だ。
ところで、この円高は、日本のバックパッカーにとっては、世界を旅行するチャンスである。今、日本円を持って、世界を旅すれば、円の強さを実感できるであろう。旅行会社のパッケージ・ツアーで利用するような立派なホテルに泊まるのでなければ、安い宿がたくさんあるのだ。また、食事も安くできる。つまり、生活費が安くあがるということである。旅行の情報は、日本でも入手できる。ただし、治安情報は、よく確認しておいたほうがいい。
宿泊場所に治安がいいところを望むというのであれば、ホテルに泊まるのも一考だ。現地で手配するホテル宿泊代は、日本でするより安いことが多い。なお、現地での旅行用の基本的な言葉は、日本でも学習できる。
旅行のための言葉は、英語を共通語として使える地域では、日本語なまりのブロークンの英語でも結構通じる。簡単なコミュニケーションなら身振り手振りでもとれる。外国に行ってから、言語を学習するほうが、よく覚えられることもあるであろう。現地で、英語ツアーに入れば、格安な値段で、世界各地から来た人たちと一緒に観光地を回ることができる。
ちなみに、カタカナ英語では、宿は「アコモデイション」といい、空室は「ヴェイカンシー」と言う。また、宿の設備は「ファシリティー」と言い、レンタカーで借りられる車(空いていて利用できる車)は「アベイラブル・カー」と言う。特別な用語・用法は、覚えておいたほうが便利である。
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