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ペナン島旅行では「フェリーを利用すること」と「宿泊地はタンジュン・ブンガまで」

  ここに述べることは、マレーシアのペナン島へ、パッケージツアーやバックパッカーで行く旅行の際に、有用性のある情報である。

 空路でペナン島へ入ると、ペナン空港に着く。ところが、ペナン空港は、ペナン州の州都ジョージタウンからは、かなり離れた地域にあって、中心都市、ジョージタウンやガーニー・ドライブ、タンジュン・ブンガ、バトゥ・フェリンギなどへの交通は不便である。したがって、空路でペナン島に到着した個人旅行者は、一般的にタクシーを利用することをやむなくされる。

 しかし、ここは公共交通機関を利用することで格安に移動する方法があるのだ。それは、「フェリーを利用すること」であるが、不思議なことに、これは旅行ガイドブック等では、あまり紹介されていない。

 ペナン空港からジョージタウンに移動するバスは、観光客には分かりにくく、利用しにくいコースとなっている。そこで、ここは一度、ペナン大橋を渡るバスを利用し、ジョージタウンの対岸で、マレー鉄道の駅があるバタワースに行くのである。

つまり、バタワース行きのバスか、または、そこを経由するバスを利用し、バタワースで下車するのである。すると、クアラルンプール行きやジョホールバル行きなどの長距離バスが発着する広いバスターミナルがあり、ここに接続する屋根付きの歩道橋がある。

これを渡ると、ペナン島ジョージタウン行きのフェリー乗り場にすぐ着くことができる。この屋根付きの歩道橋には、途中にマレー鉄道西海岸線のバタワース駅への分岐もあり、駅がすぐそばである。歩道橋は、線路を跨(また)いでいるので、歩道橋から線路が見える。

 バタワースから乗船したジョージタウン行きのフェリーは、乗船したのかどうか分からない状態で出港する。上船客名簿なんてない。通路を通って改札を抜けると、ベンチがたくさんある。それに座っているといつの間にかフェリーであることが分かる。出航して周りの景色が動いているのだ。

遠くに見えていたジョージタウンが、だんだん近くなる。ランドマークの65階建てのコムタも見える。フェリーは、人と自動車、バイクなどの混載であるが、乗船客にはその様相は分からない。収容されているフロアが違うからだ。

ジョージタウンのフェリー乗り場は、「ジェッティー」という地名である。フェリーを下船し、歩道橋を渡ると、バスがたくさん停まっている道に出る。ここからチュリアストリート(チュリア通り)までは、歩いても20分くらいである。また、ここからは、タンジュン・ブンガやバトゥ・フェリンギ行きのバスも出ている。

チュリアストリートやコムタ経由のバスもある。これらを利用すれば、高いタクシー代を払わなくても目的地まで移動することができる。しかし、ペナン島北部の観光地、タンジュン・ブンガまでは、たくさんのバス便があるが、そこから先のバトゥ・フェリンギまでのバスは、エアコンも付いていない、ぼろバスで、便数も極端に少ない。

したがって、ペナン島をパッケージツアーや個人旅行で観光しようとするならば、宿泊地は、ジョージタウンから離れるとしても、「タンジュン・ブンガまで」にしておいた方が良いであろう。ここならば、コムタに行くにも、フェリー乗り場のジェッティーに行くにも、バス便も多く、便利である。そして、ジョージタウンの中心地への距離も近いので、タクシーを利用するにしても安上がりである。

そして、タンジュン・ブンガには、屋台街もあり、コンビニもあるのだ。また、朝市が行われるマーケットも、バスの回転場所近くにある。近くにはロングステイヤーが滞在するコンドミニアムも多い。ここからは、コムタ行きや、ジェッティー行きのバスに乗って、途中のガーニー・ドライブの入り口で下車すれば、いつも賑わっている海辺の屋台街にもすぐ行けるのだ。

次に、長距離バスの利用についてであるが、混雑して分かりにくいコムタ周辺から長距離バスに乗るよりも、バタワースのバスターミナルまで行って乗るほうが分かりやすいし、料金も安上がりである。このバスターミナルには、当日乗車券を販売する旅行会社やバス会社の窓口がたくさんあり、客引きもしている。また、マレー鉄道で北へ行くにも、南へ行くにも、ペナン島からの利用駅は、このバスターミナルと歩道橋で接続しているバタワース駅なのである。

つまり、ジョージタウンとバタワースを結んでいる「フェリーを利用すること」と「タンジュン・ブンガまで」が、ペナン島を観光するための利便性と経済性を高める、キーワードとなるのである。すなわち、そのフェリーの活用と宿泊地の選定が重要であるということである。そして、驚くことに、半島部マレーシアからペナン島に渡るときは、フェリー乗船料もペナン大橋通行料も有料であるが、その反対への移動は、そのどちらも無料なのである。

余談だが、朝9時過ぎに、バタワースからジョージタウンに通う大勢の通勤客や通学生が、フェリーに乗ってジョージタウンの港、ジェッティーにやってくる。人が下船して歩道を埋め尽くすと同時に、車道にはフェリーから大量の自動車やバイクが流れ出てくる。この人と車とバイクの流れを見ていると、この島の賑わい振りが見てとれるようだ。

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