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世界的不況の嵐の中の緊急経済対策

アメリカ発の世界的金融危機と不況の嵐の中、アメリカ政府は次々と経済財政政策を打ち出し、実行している。

しかし、日本政府は、後手後手に回り、国家予算の財政規律だの、消費税率引き上げ明示だのと、わけの分からない御託を並べて、国民と国家経済を襲う不況の嵐を回避する手立てをまともにとろうとしていないように感じる。

日本円は、対ドルレートで1ドル85円より高くなってしまうことが目に見えている。これは、外需依存度が高い日本経済に大打撃となるであろう。

これに対する、的確でインパクトのある政策を取れないのは、ねじれ国会からくる政治的空白が招いている結果である。これを政権与党である自公民政権は是正しようとすらしていない。衆議院解散は、なし崩し的に先延ばしされているようである。

麻生総理の支持率が20%台に低落している今、衆議院を解散したら、自民党が大敗を喫し、政権維持が難しくなることを予測してのことだろうが、このままでは、与党すら持たないであろう。それは、日本国憲法が、その条項の中に、内閣不信任決議に基づく衆議院の解散を予定しているからである。

これに関し、端的に論評している日経BPnetのコラムがある。大学教授であり、経済アナリストとしても活躍している森永卓郎氏の12月19日付けのものである。タイトルは、「第165回:支持率急落でも麻生総理の笑いが止まらない理由」である。

今は、麻生総理が「みぞうゆう」と間違って読んだという「未曾有(みぞう)」の世界的金融危機である。一般論や正常時の経済財政対策を施策しているときではない。

ここは、緊急的に財政出動すら必要とされる危機的状況である。つまり、財政規律だの財政の裏づけだのと論じているよりも、借金してでも、つまり、赤字国債の増発を伴ったとしても、緊急な経済財政対策をとる必要がある。それほどの危機的状況である。

国民のセフティー・ネットとしての社会福祉予算の増額や緊急雇用対策への財政出動が必要である。そして、中小・零細事業者への資金繰りのための予算の配分も必要である。

この「未曾有」の危機に対しては、「未曾有」の緊急経済対策をとる必要がある。このままでは、日本経済は大きなダメージを受け、回復不能な危機的状況に陥ってしまう恐れがあるからである。

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国産ジェット機初飛行

新聞の見出しに「国産ジェット機初飛行」とあった。2008年11月29日の日本経済新聞の朝刊第13版、第7面の小さな記事である。

これは、日本製ジェット機の初飛行の記事かと思ったら、中国でのことであった。中国が国産技術で開発した中小型ジェット旅客機「ARJ21-700」が11月28日、上海で約1時間の初飛行に成功したという。

このARJは、昨年12月に第1号機の組み立てが完了したという。そして、そのジェット旅客機は、米国のゼネラル・エレクトリック(GE)系の航空機リース会社を含め、内外から208機の受注を得ているという。

ところで、日本製のジェット旅客機は、いったいどうなっているのだろうか。MRJという三菱重工業製のジェット機の製造は進んでいるのだろうか。いろいろな切り崩しに合って、製造が遅れているのではないか、と懸念される。

そして、なぜ、日本は国家的事業として国産旅客機の製造を推進しないのか、非常に不思議である。MRJに搭載するエンジンも外国製である。この旅客機の心臓部ともいえるエンジンをなぜ外国製に依存するのかも不思議である。

これでは、日本製の自動車を製造するのに外国で開発された外国製のエンジンを使用するようなものである。ジェット機のエンジンの製造技術は、既に基本特許が時効となり、一般に利用できる汎用技術となっているはずである。国産のジェットエンジンを開発しようと思えば、開発できる環境にあるはずである。

技術立国の日本が、なぜ、こうも航空機産業には消極的なのだろうか。ここには、世界的に省エネルギー型の安全なジェット旅客機の需要が大きいにもかかわらず、国家として航空機産業を育成しようという意欲が全く感じられない。

米国発の金融危機の影響で低迷する世界経済の現況は、トヨタやホンダや日産の自動車が、いかに世界中で売れたとしても、日本をはじめ、世界は豊かにならないことを、はっきり示している。

この世界的不況で、ビッグ・スリーといわれる米国の自動車会社が存亡の危機に陥っている。これは再び、日本の自動車会社の安売りが米国の自動車産業を不況にさせているという米国世論に結びつく恐れがあるのではないか。日本の自動車会社の賃金は、米国のそれよりも安いと喧伝されているからである。

日本の自動車産業は、内需にも不安定要素を撒き散らし、日本の工業技術を陰で支えてきた中小零細の製造業に犠牲を強いて、倒産の危機に陥れ、これらの事業者が持つ技術の伝承すら危うくしている。そのうえ、安い賃金の労働者を求めて非正規社員(非正規労働者)の数を増大させ、国民の安定雇用の場をかく乱させてきた。

そのうえ、自動車の需要は、世界の天然資源を食い尽くす恐れがある。このまま、中国やインドで自動車の需要が増え、先進各国並に自動車が普及したとしたら、世界の天然資源はもたないであろう。また、自動車数の増大は、大量の温暖化ガスを排出させ、地球的規模で悪影響を与えるであろう。これは、容易に推測できる近い将来の危機である。

日本政府は、内需拡大を図る政策を速やかに実施し、国内産業の再構築を図る必要がある。その内需拡大とは、労働者に働く場を提供し、妥当な賃金を支払い、その賃金が国内での購買力を増大させ、それが内需拡大に結びつくという持続的な循環に導くことである。

ここには、産業界や経済界とは違った意見にもとづき、政策立案しなければならない場面が多いであろう。そしてここには、リーダーシップを発揮して、政策立案とその遂行を強力に推し進める政治のリーダー、つまり、有能な総理大臣が必要である。日本に航空機産業という新しい工業が発展することを切に望みたい。

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麻生首相の漢字の誤読問題

今、首相の漢字の読み間違いが話題になっている。麻生首相は、漫画は見るが、読書は余りしないのであろうか。漢字の読みを知らないということは、「言語と思考」という観点で考えると、思考力が一般よりも劣っていると判断されても仕方がない事象の現われである。

この問題を考えるうえで、その本質を的確に論評していると思われる、最近、WEB上にUPされた評論二点をここに紹介する。

まず、第一点目は、大学教授で、「民権塾」を主催する田中秀征氏が、11月27日にBPnetの時評コラムにUPした「首相の読み違いで疑われる政治家の知性」である。このコラムでは、麻生太郎首相の読み違い問題にある背景にまで思いをめぐらせ、問題の本質を解析している。

第二点目は、大学教授で経済アナリストとしても活躍する森永卓郎氏が、12月1日にBPnetのSAFETY JAPANのコラムにUPした「第162回 言葉の大切さを理解していない麻生総理」である。このコラムでは、麻生首相に頻出した漢字の誤読の背景にある深刻な事態を解析しているのだ。

そこには麻生首相の誤読につき、日中関連のイベントで「四川大地震は『みぞゆう(未曽有)』の自然災害」「これだけ『はんざつ(頻繁)』に両首脳が往来したのは例がない」と読んだり、参院本会議で「村山談話を『ふしゅう』(踏襲)する」とまで読んだ、と指摘している。

これらは、いずれも辛口の論評である。しかし、そこには、日本の総理大臣として、自公政権を率いる麻生氏の首相としての資質どころか、日本語能力が問われる深刻な事態であることが危惧されているのだ。

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