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異文化の様相(1) 公衆便所・その1

 「異文化」とは、広辞苑には「生活様式や宗教などが(自分の生活圏と)異なる文化」とある。ところが、「異文化」という言葉は良くないと言う人がいる。これは、いわゆる「言葉狩り」派の主張である。これは、タイの少数民族である「アカ族」の「族」という言葉は差別用語なので、「アカの人びと」と呼ぶべきだ、という主張と軌(き)を一にする。

しかし、言葉は、表現の手段なのであるから、わざわざ「アカ族」という用語で指し示されてきた人たちの呼称を「アカの人びと」に制限したり、「異文化」という言葉を使うことを否定したりして、日本語での表現力を減衰させるべきではない。よって、ここでは、「異文化」という言葉を堂々と使うことにする。

ところで、海外旅行先でトイレに困った人たちが多いと聞く。まず、日本では、無料で使える公衆便所が結構ある。街内でも、デパートや公園などにも無料トイレがある。コンビニエンス・ストアでは、買い物をしなくてもトイレを貸してくれる。また、トイレット・ペーパーは、ほとんどのトイレに用意されている。

 しかし、海外に出かけてみると、トイレがほとんど見当たらなかったり、トイレ使用が有料であったりで、苦労することがある。勢い、ファスト・フード店や、レストランに入って、必要もないメニューを見て、飲食物を注文したりすることもある。西欧の諸国ですらそうだ。日本以外の多くのアジアの国々でもそうだ。 また、トイレット・ペーパーが置いていないのは当たり前だ。

 欧米のガソリンスタンドでは、トイレにがっちりと鍵をかけていたりして、給油したお客にしかトイレを使わせない所が多い。日本とは違う文化だ。

特に困るのは、トイレット・ペーパーを使ってはいけない国々だ。東南アジアに多い。トイレには、お尻の洗浄用に水道蛇口に直結されたゴムホースがあれば良い方で、水桶にヒシャクといった所が多い。これらのトイレの使用方法は、左手を使って、ホースやヒシャクで水をかけ、お尻を洗い流すのだ。南アジア(インドなど)や東南アジアなどでは、左手が、不浄の手と言われる所以(ゆえん)だ。

 このゴムホースの使用方法に慣れないと、下着やズボンやスカートがびしょびしょになってしまう。これらの国々に出かける場合には、風呂場などでシャワーなどを使って練習し、習熟しておくことをお勧めする。シャワーヘッドは、水流を散水から直水に変えられるものは、そのままでも良いが、それが出来ないものは、シャワーヘッドを外し、ホース状にして水を出すと良い。これを使ってお尻を洗うのは、殊の外(ことのほか)難しい。特にズボンを穿(は)いている場合には難しい。

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» トイレに行きたい! [merry-akkiiのそうか日本語、そうだ日本語]
日本語では、便所の表現に古来より様々な言葉が使われてきた。例えば、洗面所、御不浄(ごふじょう)、はばかり、雪隠(せっちん)、厠(かわや)、便所、お手洗い、化粧室、WC、パウダー・ルーム、トイレット、トイレ、などである。 この内、便所以外の言葉も、その歴史とともにイメージが定着すると、そのイメージから逃れるために、更に新しい言葉が生み出され、使われてきたように感じる。トイレやトイレット、パウダー・ルーム、化粧室などは、便所というストレートな表現を遠回しに言い表すために、工夫されて使われ..... [続きを読む]

受信: 2009年5月10日 (日) 16時02分

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