感染ルートの輸入豚肉原因説
新型の豚インフルエンザの感染者数が増大している。奈良県では、1,000人以上がインフルエンザの症状を呈し、その内の140人以上に38度以上の発熱があるという。
この奈良県でのインフルエンザの流行は、時期的に見て季節性のインフルエンザの流行からみると明らかに不自然である。まだ、この流行が、新型インフルエンザへの感染によるものと認定された訳ではないが、その可能性が大きいのだ。
どうして、こうも感染者数が増大してしまったのだろうか。感染者の多くは、海外渡航歴がない人達である。その最初の感染ルートは、現在、ナゾである。
しかし、推論が成り立つ。それは、豚インフルエンザに感染した豚肉が、その感染源となったのではないか、という推論である。メキシコやカナダから、相当数の豚肉が日本に輸入されている。その中には、当然、この新型の豚インフルエンザに感染した豚の肉も入っていたことが推測できるのだ。
政府は、食品パニックを防ぐためか、豚肉はよく加熱して調理するので、豚肉から感染する恐れはない、としていた。しかし、これで良かったのであろうか。
ウイルスに感染している豚は、肉ばかりではなく、その体液にもウイルスが存在する。体液には、リンパ液や血液も含まれる。よく過熱すればウイルスは死滅する。しかし、感染した豚の肉を料理する過程で、料理する人の手指に新型ウイルスが付着し、まな板や包丁にもそのウイルスが付着する。そして、これが感染ルートとなった可能性は極めて高いのだ。
インフルエンザは、罹患した人のセキやクシャミなどで吐き出される飛沫からも感染する。そして、血液などの体液からも感染する。それは、豚のセキやクシャミからも同様である。豚の血液に直接触れれば、濃厚接触者となり感染するリスクは高い。
カナダでは、メキシコからの帰国者がこの新型の豚インフルエンザに感染していて、その感染者から、豚舎の多数の豚が、豚インフルエンザに感染したという報告があるのだ。
したがって、新型の豚インフルエンザに感染した輸入豚肉が、日本での新型ウイルスの感染源になり、広い地域で同時多発的に、大勢の人に感染した原因となったのではないか、ということが推論できるのだ。これは、あくまでも推論であるが、広い地域での同時多発性を考えると、感染ルートとして十分に考えられるのである。これは、感染ルートの輸入豚肉原因説と言うことができるであろうか。
だとすれば、これは、鳥インフルエンザに罹ったニワトリやウズラの大量殺処分を発令できるのに反し、この豚インフルエンザの流行地域からの豚肉輸入を禁止しなかった政府の失策ではないかと思うのだ。
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