海外ロングステイの助走期間とビザ無し滞在(その2)
海外ロングステイを始めるには、いきなり長期滞在ビザを申請して、ロングステイを始めるのではなく、観光目的の査証免除期間を活用し、現地の気候風土や社会や文化に自らが適応できるかどうかを、実地に、自分の目で確かめるための助走期間が必要であることは、前の項の(その1)で述べた。ここでは、査証免除(ビザ無し)で滞在できる期間をフルに活用することについて述べる。
例えば、南国暮らしのロングステイヤーがあこがれるタイでは、観光目的であれば30日以内であるが、その期間内に他国に出国し、すぐに再入国しても、またそこから、タイに30日以内(陸路での再入国は15日以内)の滞在が許可され、その期間を過ごせる、などという制度があるのだ。
タイの隣国であるマレーシアやミャンマー、カンボジアには、陸路でも移動できる。また、バンコクからマレーシアのペナンまでは、格安航空のエア・アジアも運航しているので、これを利用してペナン島を観光して戻れば、それからまた30日間を過ごせるのである。因みに、この往復運賃は、WEB申込みのベスト・フェアであれば、日本円換算で1万円前後であることがあるのだ。
ところで、査証免除(ビザの申請が不要)で再入国を繰り返す場合には、1年間の実質滞在期間に制限がある場合があるので、WEB検索などで、「マレーシア、入国許可」などのキーワードを入れて調べておくとよい。
例えばマレーシアでは、観光目的であれば査証免除で入国より3か月以内滞在できるが、査証免除で再入国を繰り返した場合に、1年間に滞在できる実質的期間は通算6か月以内となっている。ロングステイの助走期間としては十分に長い期間である。しかし、実際にはこの6か月を超える滞在も認められているという報告もあるようだ。
この査証免除で滞在できる期間は、国によって違う。例えば、マレーシアは3ヶ月以内、タイは30日以内、フィリピンは21日以内、オーストラリアは3ヶ月以内(電子ビザETAS申請時。実質的にはWEB申請によるビザの申請が必要であるということである)、ニュージーランドとカナダは90日以内などとなっている。そして、一度他国に出国し、再入国すれば、更に査証免除で新しい期間を過ごせるという制度があることは、前にも述べた。
なお、パスポートの有効期限がその国の入国時6か月以上先までであることや帰りの航空券を持っていることなど(マレーシア)が、査証免除の条件となっている場合があるので、パスポートは、有効期間を調べて、管理しておく必要がある。また、パスポートは、有効期限の一年前から更新申請できるので、有効期限がそれより短くなった場合には更新しておくことをお勧めする。
次の項の(その3)では、渡航先のマイナー情報やリスク情報とその入手方法について述べる。
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