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海外ロングステイの助走期間とビザ無し滞在(その5)

 マレーシアのセカンドライフ・ビザといわれるMM2Hは、取得のハードルが高い。それは資産があることや、月々の収入があることに加え、厳しい条件の健康診断をクリアしなければならないからだ。この健康診断には、JICAでシニア海外ボランティアに応募し、合格する際に要求される健康診断基準と同格くらいの厳しさがある。

これをクリアできるなら、むしろ、このJICAのボランティアで活躍してみてはどうだろうか。こちらは、ボランティアといっても、旅費交通費や現地滞在費はJICAから負担してもらえ、報酬がもらえるのだ。そして、現地滞在では、JICAのスタッフに手厚いサポート体制の恩恵に浴することもできるのだ。

 ところで、日本人がロングステイを希望する現地国政府も、日本人の病気がちな老人が、お金があることをいいここに、現地国を大勢でウロウロすることは歓迎していないであろう。また、病気がちな高齢者が現地の医療機関で医療従事者の労力を煩わせることになることには、警戒しているであろう。これが、長期滞在ビザを申請する際の健康診断の厳格化に繋がっているのだ。それゆえ、5年間のロングステイ期間が満了した後で、再度、5年間の滞在が許可されるかどうかは、再度の健康診断結果に係ることが考えられる。

日本でも、老人医療費は国の負担が大きいため、前の自公政権では、国民から批判の多い後期高齢者医療制度を設けた程である。この事実を考えただけでも、日本人の高齢者が他国の医療機関を煩わせて、大勢で押し寄せてウロウロする事を歓迎していない国が多いだろうということは、容易に想像できる。各国から、日本人の姥捨て山になることは警戒されていると見たほうが良いだろう。

このことを考えただけでも、老後は日本で、美しい自然と衛生的な生活環境の中で、また、充実した医療体制の中で生活した方が、安心であり、安全であると思うのだ。そして、日本語のテレビが見られない環境に自らをおく必要はないであろう。ある統計によると、日本人の高齢者の娯楽の一番は、テレビ鑑賞であるというからだ。

海外でのロングステイを考えるならば、日本での田舎暮らしを、まず検討してみてからにしてはどうだろうか。暖かい南国暮らしを望むなら、沖縄や奄美大島、八丈島もあるのだ。また、都会の雑踏を逃れて静かに暮らしたいと考えるならば、日本の屋根といわれる日本アルプスの麓や八ヶ岳の麓などはどうであろうか。そのほか、静かな農村や山村は日本各地にあるのだ。

そして、日本国内であれば、どこでも日本語で救急車を要請することもできるし、警察や消防に電話することもできる。また、医療機関を受診する際も、日本語で説明できるのだ。シクシク痛むやズキズキ痛む、チクチク痛む、ヒリヒリ痛むなどの表現は他国語では難しいであろう。日本語が通じるということは、この上ない幸せなのだ。

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