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予算の無駄遣いと環境破壊のダム建設

与党の鳩山政権下、前原誠司国土交通相が、9月17日の就任会見で、八ツ場(やんば)ダムや川辺川ダムの建設中止を含む、全国の143ダム建設を見直す考えを示した。これは大歓迎すべきことだ。それは、次の理由から、ダムの建設は、予算の無駄遣いであり、自然破壊の最たるものだと考えるからだ。

各地の山を歩いていると、沢山のダムに遭遇する。それは、多目的の大型ダムであったり、発電用の中型ダムであったり、また、砂防ダムであったりする。しかし、その多くのダムが、湖底や川底に大量の土石が堆積し、実際にダムが貯水できる水量が甚だしく少ないだろうと思わせるもの多いのだ。

水を満々と湛えているように見えるダムでも、よく見るとその湖底は浅くなっている所が多い。利根川の上流の奥利根にある藤原ダムなどでもそうだ。また、砂防ダムに至っては、土石が堰堤の上辺の水準まで堆積していて、水が平坦になった土石の表面をただ流れているだけ、という所が多いのだ。

ここに特に顕著な実例を挙げよう。南アルプスの南側の麓、静岡県側には、フォッサ・マグナといわれる糸魚川―静岡構造線が通っている。この構造線に沿った大井川やその支流にも砂防ダムや多目的ダムが多い。赤石岳や光岳(てかりだけ)の登山口で有名な畑薙(はたなぎ)第一ダムという大型ダムは、近づくと湖底に大量の土石が堆積し、凄く浅くなっているのが見える。ダムの貯水量は、計画貯水量に比して極端に少ないだろう。その治水の機能が大きく低減しているのだ。

そしてまた、この地域では、特に山体の崩落が激しいせいか、数多くある砂防ダムの殆どが機能していないのだ。砂防ダムは、堰堤の縁の高さまで土砂が堆積していたら、土石流を止める機能はない。それどころか、ダムを造るための資材を運ぶためと称して、山を削って車道を造り、山腹の植生をズタズタに壊したことによる山体崩落が、かえって多いという結果、つまり、土石流がかえって多いという結果を招いているのだ。

地元の山岳ガイドが言っていた。「砂防ダムを造るから山が崩落し、川に土砂が流れ出す。砂防ダムは直ぐに土砂で埋まる。人為的な自然破壊の最たるものだ」と。川には、常時、崖から剥がれ落ち、川に向かって崩落する土石が観察できるのだ。そして、車道にも落石が絶えない。

ダム湖底に大量の土石が堆積し、ダムの貯水機能を減退させている地域は、この地域ばかりではない。全国至る所のダムに同様の傾向が見られる。多額の費用を投じて造ったダムが、その機能を発揮できていない所が多いのだ。そして、ダムの建設は、山を壊し、自然の河川を壊して、自然環境を破壊している。

こんなダムを造る予算があったら、既設のダム湖の浚渫(しゅんせつ)を行い、湖底の土石を除去して貯水量を確保し、また、土石流の予防のための機能を高めた方が、遥かに費用が安く済むし、これ以上の自然環境の破壊をしなくて済むであろう。そして、この方が遥かに治山治水にかなっているだろう。その上、これは新たにダムを作るよりも予算がかからず、自然環境にも遥かに優しい施策である。ここは、民主党を中心とする与党の政策に大いに期待したい。

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