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海外ロングステイの助走期間とビザ無し滞在(その4)

海外ロングステイで、取得するのに難易度が高い5年間や10年間(5年間の滞在ビザの期間経過後、審査を経て更に5年間延長できることになっている)などの長期滞在ビザを取得してしまうと、その目的や実態を客観視することが困難になる。これは、マレーシアのセカンドライフ・ビザ(MM2H)等を取得してしまった時などに多い。

  それは、合格するのに難易度が高い入学試験や資格試験に合格した時と同じ心理状態になるからであると考えられる。せっかく合格したのだから、その合格を生かして次のステップに進もうと考えるからだ。これは、日本語教師という資格取得のために、多額の費用と膨大な時間と労力を掛けて、それを取得した場合の心境と同じなのかも知れない。思考のドツボにはまってしまうのである。

したがって、このようなロングステイのための長期ビザを申請取得する場合は、事前に実際に現地で、その気候風土や社会や文化に、自分が適応できるかどうかを試してみることが必要なのである。つまり、実際に海外の現地で、ロングステイのテスト期間を設けて、ビザ申請が不要な滞在期間内で生活してみることが必要なのである。これは、ロングステイを途中で投げ出してしまうなどの失敗をしないための、必要なテスト期間ないしは助走期間である。

マレーシアでは、観光目的であれば、査証免除で滞在できる期間は1年間の内、実質6か月間まで認められる。同様にタイでも、半年間に90日という期間を査証免除で滞在することが認められる(いずれも再入国が必要である)。これらの情報は、ロングステイを薦める団体や営利事業者が、ロングステイ希望者には積極的には教えない、むしろ秘匿している情報である。

これは、例えばマレーシアでは、一度の入国で3か月以内の滞在が認められ、その期間満了前に一度、他国に出国し、再入国すれば、そこからまた3か月以内の滞在期間が認められるから、実質的に一年間に半年を過ごせる、ということになるからである。半年間とは、十分に長い期間であるから、これを活用しない手は無い。

そして、ロングステイのテスト期間ないしは助走期間には、ロングステイを薦める団体や旅行業者から完全に離れて、自らが自立して直接、現地の気候風土や社会や文化に触れてみることが必要なのだ。誰のサポートも無い状態で乗り合いバスに乗り、タクシーを捕まえて目的地に辿り着いてみる。現地の人が良く利用する屋台やフードコートに出かけてみる。ショッピングモールや市場に出かけて買い物をしてみる。また、ゴルフやテニスに出かけてみる。これらの実践を通じて、現地の社会や文化の様相をできるだけ客観的に捉えて見ることが必要なのだ。

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