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前原大臣に突きつけられた踏み絵と実行力

 民主党の前原誠司国土交通省が、八ツ場ダム中止でぶれない姿勢を貫いているのは、素晴らしいことだと思う。今、民主党を中心とする政権には、反対勢力からの切り崩しの陰謀と、踏み絵を迫ろうとするかのような策謀が、蠢(うごめ)いているように思えるからだ。

 関東の6都県の知事が、こぞって八ツ場ダムを視察し、ダム工事中止の撤回要請を行ったことが、メディアで報道されているが、これはパフォーマンスが行き過ぎているのではないか。200年に一度の大水害を想定して、ダムを造れとは大げさすぎる。過去に被害が出たカスリーン台風レベルの豪雨の想定であれば、遊水池を整備し、人為的に氾濫平野を造ることなどで、治水機能は大幅に増加する。また、既存のダムの浚渫(しゅんせつ)や河川改修でも治水機能は改善する。

それよりも、八ツ場ダムを造ろうとしていた地域の吾妻渓谷付近は、近くにある浅間山が過去に大噴火を繰り返したことから、噴出した火山礫や火山弾の堆積層が厚いことが心配されているのだ。それは、一部の地質学者も指摘しているように、多孔質の火山性噴出物は、水を遮断する力が極端に弱いということに心配の原因がある。

したがって、ここに巨大ダムを建設した場合に、ダム底にかかる巨大な水圧が災いして、大量の水がダム湖底を通過し、付近の地層や地下水脈や湯脈にどのような影響を与えるかが未知数であるということなのだ。それは、ダムを造った後で、ダム湖底からの水が、思わぬところから噴出するなどして、付近の住民にとんでもない被害が出ることすら想定されるということなのだ。そこには、マグマ溜まりと地下水脈の接触による水蒸気爆発の危険性も想定される。

そして、この地域には、今でも火山活動が活発な浅間山が近くにあることから、200年に一度の大地震や浅間山の火山の大爆発による被害のほうが、遥かに危険度が高いと想定されることだ。大地震により、軟弱な山体が崩落し、これに伴って大量の水を貯えた巨大ダムが崩落して、かえって大水害を惹き起こすことまで想定されるのだ。そのうえ、火山の噴出物がダム湖を埋め、ダムの治水利水の機能が完全に失われてしまうことすら想定され、その機能喪失後に、泥流が発生すれば、下流域の住民に甚大な被害をもたらすことすら想定されるのだ。

吾妻渓谷の美しい自然を破壊し、巨額の資金を投じて、こんなにリスキーな八ツ場ダムを造る必要はどこにあるのであろうか。今まで、国の方針でダム計画を実行してきたということは、今までの話である。ここには、新たに民主党を中心とする与党政権が誕生したのである。政権が変わった以上、従来の計画は撤回し、新たな治水利水の方策を模索することに何らの不都合は無いのではないか。

 八ツ場ダムの建設中止は撤回することなく、この地域には吾妻渓谷の自然の景観を生かした地域の活性化をはかるべきであろう。温泉源は、ダム湖に沈めることなく、有効に生かせる。そして、この地域に別荘地や保養施設などを造ることや、今、流行(はやり)のクライン・ガルテンなどの滞在型市民農園を造ることなどで、積極的な観光誘致が考えられる。また、巨大ダムが中止になったという話題性を生かして、多くの都市部の住民を呼び込むこともできるであろう。

民主党の前原国土交通相には、ここは踏ん張って頑張ってもらいたい。ここには、ぶれない政策の実行に踏み絵を突きつけられていると考え、ひたぶるに実行力を行使することが求められていると思うのだ。

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バリ島の邦人女性の半裸殺人事件(その3)

先月28日に発覚したバリ島の邦人女性半裸殺人事件は、世間の耳目を集めた。特に海外旅行を趣味とする人たちには、海外旅行のリスクとして、海外の治安状況が憂慮すべき事態であることが分かるキッカケとなった。そこでは、日本ではメディアに取り上げられることがなかった性犯罪や強盗被害が、この他にも沢山あることを際立たせたのである。

それは、インドネシアのバリ島は、比較的治安が良いと喧伝(けんでん)されてきたから特にそうであった。旅行会社の宣伝(せんでん)では、「リゾート地の開放的な雰囲気漂う、南国の楽園バリ島」であろうが、実際は遥かに日本より治安が悪いことが分かったのである。日本人女性の性的被害や昏睡強盗被害が極めて多いと言うことが分かったのだ。

そして、この事件について、現地の在外公館である在インドネシア日本国大使館と在ジャカルタ日本国総領事館の共同のホームページ(HP)で注意喚起の情報を発出した。

また、同内容は、外務省の海外安全ホームページからも検索できる。その注意喚起は、第1回目は犯人が逮捕される前の9月30日と、第2回目は犯人が逮捕された後の10月8の2度に渡るのだ。

その情報やその他のメディアによる情報を総合すると、今回のバリ島の半裸殺人事件は、警察官の服装をして、警察の身分証明書を提示し、ホテルの従業員により被害者女性の部屋まで案内された犯人により、女性は宿泊先ホテルから連れ出されたことになる。そして、被害者女性と同室の友人女性も同じ犯人から、その被害者女性が連れ出される少し前に宿泊先ホテルから連れ出され、暴行に遭い、全裸のままで近くのホテルに飛び込み、すんでのところで難を逃れたと言う。その後、犯人はその宿泊先ホテルに戻り、被害者女性を連れ出し、同様の犯行を繰り返した。

しかし、これに対する旅行客側からの防備や注意とは、一体どこまですれば良いのであろうか。2回目の注意喚起の情報を眺めながら考えさせられてしまった。それは、2回目の注意喚起情報を良く吟味してみれば分かるが、今回の事件を防ぐのは、殆んどお手上げ状態であると思うからだ。

また、バリ島には、日本人の若い女性達を狙って、ビーチボーイと言われる若い男達が数多く暗躍し、親しげに日本語で語りかけ、言葉巧みに誘いかけてくるという。若い日本人女性に性的被害や強盗被害が多いと言うのだ。それは、日本人女性が集団で深夜のナイトクラブやディスコに出かけていても、飲み物や食べ物に睡眠薬などの薬物を仕組まれ、性的被害や昏睡強盗の被害に遭っていると言うことまで伝えられているのだ。そこでは被害者が抵抗できない状態で犯罪被害に遭っているのだ。そこには、エイズ(HIV)などの性感染症の恐れも出てくる。知らない間に感染させられている懸念があるのだ。

ここには、こんな治安の悪いバリ島を楽園の如く宣伝して、犯罪被害の多発を招いてきた日本の旅行社にも、大きな責任があるであろう。また、日本の海外旅行業を監督する立場の国土交通省や、海外の邦人を擁護する立場の外務省も、今までバリ島で、若い日本人女性を狙った犯罪被害が多発していたのを等閑視していた責任があるであろう。

日本人女性は、彼らにとっていいターゲットなのであろう。それは、犯罪被害に遭っても、面倒を恐れ、加害者を追求することなく、泣き寝入りしてしまうからだ。日本人は、海外に出かけた場合に、言語的な不自由さから、自己主張したり反論したりすることに消極的になったり、脆弱(ぜいじゃく)になってしまう。しかし、これでは犯罪者達にやり得を許し、かえってその後も犯罪が多発するという条件を与えてしまう。

今回の半裸殺人事件は、警察官を装う26歳のインドネシア人の男による日本人女性に対するレイプと強盗、そして殺人事件である。日本であれば、強盗強姦殺人であり、罪状が極めて重い。この事件は、もっと真相を追究し、検証の上、強く注意喚起する題材とすべきであろう。そして、このような犯罪被害で泣き寝入りしない方策を講じるべきであろう。

しかし、日本の旅行業界や外務省は、この事件に早めの幕引きを図ったのであろうか。被害者女性の遺体は、現地で9月28日に発見されてから、10月1日には荼毘(だび)に付され、日本時間の10月2日には、遺族に付き添われ、成田に到着しているのである。この事件は、そう簡単に幕引きを図るべきではない。さらなる調査と追求が必要である。

日本の国土交通省や外務省は、この事件の背景にある旅行業者の宣伝内容や現地の治安状況を検証し、二度とこのような被害者を出さないために、現地国政府、そして日本の旅行業界に強く働きかけるべきである。

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東京の2016年五輪開催の落選

 北欧の国、デンマークの首都コペンハーゲンで、日本時間の10月2日夕方から、2016年夏季オリンピックの開催都市を選択する選挙のための各国のプレゼンテーションが行われた。鳩山由紀夫総理の演説も素晴らしかったし、石原慎太郎東京都知事のパフォーマンスも素晴らしかった。そして、3日に日付が変わった夜半過ぎにその選挙が行われた。最終審査で残っていた立候補都市は、東京、シカゴ、マドリッドとリオデジャネイロの四都市だ。

 あいにく日本は落選し、当選したのは南半球の国、ブラジルのリオデジャネイロだ。南米大陸で初の開催都市である。南半球の国は、北半球の日本などが冬を迎える時に夏を迎える。したがって、夏季オリンピックと言うからには、北半球が冬でない時期に五輪競技が行われるのであろう。

 リオデジャネイロは、リオとも言われ、夏はサンバのリズムも賑やかなカーニバルの季節だ。世界各国から観光客がここを訪れる。ブラジルは、かつてポルトガルの植民地であったため、国語はポルトガル語だ。中南米のほとんどの国がスペイン語を国語としているのとは対照的だ。

 そして、ブラジルは、かつて日本からの移民を数多く受け入れため、日系人も多く、日本とは関係の深い国だ。果たして、リオデジャネイロは、どんなオリンピックを見せてくれるのだろうか。今から楽しみである。

 一方、東京は、その次のオリンピック開催を目指すべきであろう。去年、東アジアの北京で行われたばかりの夏季五輪が、2016年に同じ東アジアの東京で開催されるとすることには、多くのIOC委員にとって、北京五輪と時間も地域も近接しているように思えたのではないだろうか。

西欧諸国で利用されている大西洋を中心とする世界地図では、日本は、右上隅のファーイースト、つまり極東にあり、中国はその隣国だ。去年開催された北京と同じ東アジアに位置する国、日本で、2016年の夏季オリンピックが開催されるとするのには、IOC委員の多くの賛成を勝ち得るのは難しかったであろう。

だとすれば、東京はその次の2020年の開催を目指すべきではないか。先が長い話であるが、今から準備すれば、万端が整う。そして、今から世界のIOC委員に対するイメージアップを図っていくべきである。また、国民世論も盛り上げていくべきである。

東京都知事の石原慎太郎氏は、立候補都市、東京の落選を悲嘆すべきではない。これを次へのステップの礎(いしずえ)と見るべきである。

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バリ島の邦人女性の半裸殺人事件(その2)

 リゾート地の開放的な雰囲気の漂うインドネシア・バリ島を旅行中の邦人女性(33歳)が、先月28日、半裸状態で殺害されて見つかった事件で、10月2日、容疑者が逮捕された。インドネシア人の男26歳で、親類から警察官の服装を入手し、警察官を装い、女性旅行者を狙って常習的に犯行に及んでいたという。

この事件は心配していた通り、日本のメディアには取り上げられていない、日本人女性に対する同様の被害が多数発生していたことを白日のもとに曝した。それは、この事件の陰に、警察官を装った男に性的暴行を受け、強盗されるという隠れた事件が数件あったことが分かったからだ。

この容疑者が、この半年間に日本人女性に対し、同様の6件の暴行と強盗を繰り返していたと自供していることと、この容疑者の自宅から女性旅行者から強奪した物品が多数発見されたことから、その事実が明らかになった。

なぜか日本のメディアは、この事件については控えめな報道しかしていないのが不思議であった。この事件の被害状況が、「強盗」と「殺害」という限定された態様で報道していることからも、そこには事の真実を報道するのを遠ざけようとする姿勢が感じられた。

しかし、それで良いのであろうか。警察官の服装をして、被害者から物を奪うため、被害者女性の抵抗を抑えるために下半身の着衣を剥ぎ取ったり(被害者はTシャツだけの半裸状態であった)、全身傷だらけで頭蓋骨陥没骨折に至るまでの強い暴行を加えたりするであろうか。物を奪うだけならこんな暴行は必要ないだろう。

つまり、これは明らかに、警察官を装った男が、被害者女性に性的暴行を加えようとしたのに対し、被害者が激しく抵抗したことを示している。そして、この男は、被害者女性の抵抗を抑圧し、性的暴行を加えた。この性的暴行とは、レイプのことであり強姦のことである。つまり、この被害者は、レイプされた上に強盗被害に遭っているのだ。そして、殺害された。

ところで、日本のメディアはこの報道に関し、「レイプ」や「強姦」という言葉を避けようとしているように感じる。しかし、報道が国民の知る権利に貢献するものである限り、事実を事実として伝え、国民に注意を喚起すべきであろう。そして、この事件をメディアや世論の俎上から簡単に葬り去り、幕引きを図るべきではない。

それは、比較的治安が良いとされているインドネシアのバリ島でも、日本に比べたら治安は遥かに良くないということであり、日本人女性の多数が性的被害や強盗被害などに遭っているという事実である。また、報道されないこれらの犯罪被害が多数発生しているという事実である。

そして、若い日本人女性を狙ったビーチボーイといわれる若い男達による性的被害が多いという事実である。また、薬物を仕組んだ飲み物や食べ物などによる昏睡強盗や性犯罪が多いという事実だ。男達は、親しげに日本語で話しかけ、巧みに誘いかけてくるという。

日本のメディアは、一部の旅行業者や旅行業界に遠慮して、海外旅行先や海外ロングステイ先に潜む危険を国民に知らせることを躊躇すべきではない。また、日本の外務省も、この問題につき、現地情報を踏まえ、検証の上、詳細な事実を国民に開示し、注意喚起すべきである。

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バリ島の邦人女性の半裸殺人事件(その1)

 9月28日、インドネシアのバリ島クタ地域のビーチ近くで、邦人女性の半裸死体が発見された。着衣はTシャツのみで、下半身は裸であったという。全身にスリ傷や打撲痕があり、強姦された上に殺されたらしい。頭蓋骨は、陥没骨折していたという。被害者は、神奈川県小田原市に在住の33歳の女性であるという。

 バリ島は、日本人観光客に人気の観光地で、インドネシアでも比較的治安が良いとされている地域である。特に若い日本人女性に人気の場所だ。しかし、被害者は、クタの街内の宿泊先ホテルに滞在していたところを、警察官を名乗る男に連れ出されという。その後、男は、被害者女性の宿泊先ホテルの部屋から被害者の旅行荷物も持ち出しているらしい。

 この事件についての日本のメディア報道はなぜか控えめであるが、被害者は、警察官を名乗る男に宿泊先ホテルから連れ出され、強姦された上に、殺害されて財物まで奪われた、という事になる。楽しいはずの海外旅行が、死出の旅路になってしまった。痛ましい事件である。被害者には心よりご冥福をお祈り申し上げる。

 この事件は、被害者の死亡という事で殺人事件にまで発展したため、ニュースで大きく取り上げられ、問題になった。しかし、邦人が被害者となる性的犯罪や強盗などの被害は、この比較的安全とされている海外の地域でも、日本よりは遥かに多く発生しているのだ。

 そこには、日本人観光客を狙った、スリやひったくり、置き引き、侵入窃盗や、日本人女性の性的被害などの事件が、かなりの数で起きているということである。すなわち、日本ではニュース報道にまでは至っていないこれらの事件が、相当数発生している、ということなのだ。

 日本人は、一般的におとなしく、言語的に不自由なためにクレームを言ったり、抗議したりする勢いが弱いとみなされている。そこが犯罪者につけ狙われる弱みとなっている。数人の女性で旅行していてさえも、これらの犯罪被害に遭っている女性グループもあるという。

 これらは、外務省が公開している「安全対策基礎データ」や、世界各地の在外公館(大使館や総領事館など)が編集している「安全の手引き」などに詳しい。外務省HP(ホームページ)にリンクしている渡航関連情報の海外安全ホームページから閲覧することができる。また、WEB検索で「外務省 安全の手引き」や「外務省 安全対策基礎データ タイ 性的被害」などのキーワードでも調べることができる。そして、各在外公館独自のHPもあるので、参考にすることを薦める。

海外旅行やロングステイに出かける際には、事前にこれらを参考にして海外旅行先や滞在場所を吟味する必要があるのだ。また、危険情報が出ている国や地域などへの渡航はできるだけ自粛するとともに、万一渡航する際には、自己責任で細心の注意をすることが必要だ。今、世界各地で「警察官」を名乗る者による犯罪被害に遭う事件が、多発しているというのだ。

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