« バリ島の邦人女性の半裸殺人事件(その3) | トップページ | みかん狩りハイキング »

前原大臣に突きつけられた踏み絵と実行力

 民主党の前原誠司国土交通省が、八ツ場ダム中止でぶれない姿勢を貫いているのは、素晴らしいことだと思う。今、民主党を中心とする政権には、反対勢力からの切り崩しの陰謀と、踏み絵を迫ろうとするかのような策謀が、蠢(うごめ)いているように思えるからだ。

 関東の6都県の知事が、こぞって八ツ場ダムを視察し、ダム工事中止の撤回要請を行ったことが、メディアで報道されているが、これはパフォーマンスが行き過ぎているのではないか。200年に一度の大水害を想定して、ダムを造れとは大げさすぎる。過去に被害が出たカスリーン台風レベルの豪雨の想定であれば、遊水池を整備し、人為的に氾濫平野を造ることなどで、治水機能は大幅に増加する。また、既存のダムの浚渫(しゅんせつ)や河川改修でも治水機能は改善する。

それよりも、八ツ場ダムを造ろうとしていた地域の吾妻渓谷付近は、近くにある浅間山が過去に大噴火を繰り返したことから、噴出した火山礫や火山弾の堆積層が厚いことが心配されているのだ。それは、一部の地質学者も指摘しているように、多孔質の火山性噴出物は、水を遮断する力が極端に弱いということに心配の原因がある。

したがって、ここに巨大ダムを建設した場合に、ダム底にかかる巨大な水圧が災いして、大量の水がダム湖底を通過し、付近の地層や地下水脈や湯脈にどのような影響を与えるかが未知数であるということなのだ。それは、ダムを造った後で、ダム湖底からの水が、思わぬところから噴出するなどして、付近の住民にとんでもない被害が出ることすら想定されるということなのだ。そこには、マグマ溜まりと地下水脈の接触による水蒸気爆発の危険性も想定される。

そして、この地域には、今でも火山活動が活発な浅間山が近くにあることから、200年に一度の大地震や浅間山の火山の大爆発による被害のほうが、遥かに危険度が高いと想定されることだ。大地震により、軟弱な山体が崩落し、これに伴って大量の水を貯えた巨大ダムが崩落して、かえって大水害を惹き起こすことまで想定されるのだ。そのうえ、火山の噴出物がダム湖を埋め、ダムの治水利水の機能が完全に失われてしまうことすら想定され、その機能喪失後に、泥流が発生すれば、下流域の住民に甚大な被害をもたらすことすら想定されるのだ。

吾妻渓谷の美しい自然を破壊し、巨額の資金を投じて、こんなにリスキーな八ツ場ダムを造る必要はどこにあるのであろうか。今まで、国の方針でダム計画を実行してきたということは、今までの話である。ここには、新たに民主党を中心とする与党政権が誕生したのである。政権が変わった以上、従来の計画は撤回し、新たな治水利水の方策を模索することに何らの不都合は無いのではないか。

 八ツ場ダムの建設中止は撤回することなく、この地域には吾妻渓谷の自然の景観を生かした地域の活性化をはかるべきであろう。温泉源は、ダム湖に沈めることなく、有効に生かせる。そして、この地域に別荘地や保養施設などを造ることや、今、流行(はやり)のクライン・ガルテンなどの滞在型市民農園を造ることなどで、積極的な観光誘致が考えられる。また、巨大ダムが中止になったという話題性を生かして、多くの都市部の住民を呼び込むこともできるであろう。

民主党の前原国土交通相には、ここは踏ん張って頑張ってもらいたい。ここには、ぶれない政策の実行に踏み絵を突きつけられていると考え、ひたぶるに実行力を行使することが求められていると思うのだ。

|

« バリ島の邦人女性の半裸殺人事件(その3) | トップページ | みかん狩りハイキング »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/201156/46543956

この記事へのトラックバック一覧です: 前原大臣に突きつけられた踏み絵と実行力:

» 映画「沈まぬ太陽」を観賞 前原誠司国交相 [山崎豊子の最高傑作『沈まぬ太陽』を10倍楽しむ方法]
日航の経営再建問題に取り組んでいる前原誠司国土交通相が1日、東京都千代田区で日航ジャンボ機墜落事故などをテーマにした映画「沈まぬ太陽」の試写を観賞した。 原作は山崎豊子さんのベストセラーで、日航をモデルにしたとされる「国民航空」は壮絶な乱脈経営の中、事故を...... [続きを読む]

受信: 2009年10月21日 (水) 15時01分

« バリ島の邦人女性の半裸殺人事件(その3) | トップページ | みかん狩りハイキング »