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バリ島の邦人女性の半裸殺人事件(その3)

先月28日に発覚したバリ島の邦人女性半裸殺人事件は、世間の耳目を集めた。特に海外旅行を趣味とする人たちには、海外旅行のリスクとして、海外の治安状況が憂慮すべき事態であることが分かるキッカケとなった。そこでは、日本ではメディアに取り上げられることがなかった性犯罪や強盗被害が、この他にも沢山あることを際立たせたのである。

それは、インドネシアのバリ島は、比較的治安が良いと喧伝(けんでん)されてきたから特にそうであった。旅行会社の宣伝(せんでん)では、「リゾート地の開放的な雰囲気漂う、南国の楽園バリ島」であろうが、実際は遥かに日本より治安が悪いことが分かったのである。日本人女性の性的被害や昏睡強盗被害が極めて多いと言うことが分かったのだ。

そして、この事件について、現地の在外公館である在インドネシア日本国大使館と在ジャカルタ日本国総領事館の共同のホームページ(HP)で注意喚起の情報を発出した。

また、同内容は、外務省の海外安全ホームページからも検索できる。その注意喚起は、第1回目は犯人が逮捕される前の9月30日と、第2回目は犯人が逮捕された後の10月8の2度に渡るのだ。

その情報やその他のメディアによる情報を総合すると、今回のバリ島の半裸殺人事件は、警察官の服装をして、警察の身分証明書を提示し、ホテルの従業員により被害者女性の部屋まで案内された犯人により、女性は宿泊先ホテルから連れ出されたことになる。そして、被害者女性と同室の友人女性も同じ犯人から、その被害者女性が連れ出される少し前に宿泊先ホテルから連れ出され、暴行に遭い、全裸のままで近くのホテルに飛び込み、すんでのところで難を逃れたと言う。その後、犯人はその宿泊先ホテルに戻り、被害者女性を連れ出し、同様の犯行を繰り返した。

しかし、これに対する旅行客側からの防備や注意とは、一体どこまですれば良いのであろうか。2回目の注意喚起の情報を眺めながら考えさせられてしまった。それは、2回目の注意喚起情報を良く吟味してみれば分かるが、今回の事件を防ぐのは、殆んどお手上げ状態であると思うからだ。

また、バリ島には、日本人の若い女性達を狙って、ビーチボーイと言われる若い男達が数多く暗躍し、親しげに日本語で語りかけ、言葉巧みに誘いかけてくるという。若い日本人女性に性的被害や強盗被害が多いと言うのだ。それは、日本人女性が集団で深夜のナイトクラブやディスコに出かけていても、飲み物や食べ物に睡眠薬などの薬物を仕組まれ、性的被害や昏睡強盗の被害に遭っていると言うことまで伝えられているのだ。そこでは被害者が抵抗できない状態で犯罪被害に遭っているのだ。そこには、エイズ(HIV)などの性感染症の恐れも出てくる。知らない間に感染させられている懸念があるのだ。

ここには、こんな治安の悪いバリ島を楽園の如く宣伝して、犯罪被害の多発を招いてきた日本の旅行社にも、大きな責任があるであろう。また、日本の海外旅行業を監督する立場の国土交通省や、海外の邦人を擁護する立場の外務省も、今までバリ島で、若い日本人女性を狙った犯罪被害が多発していたのを等閑視していた責任があるであろう。

日本人女性は、彼らにとっていいターゲットなのであろう。それは、犯罪被害に遭っても、面倒を恐れ、加害者を追求することなく、泣き寝入りしてしまうからだ。日本人は、海外に出かけた場合に、言語的な不自由さから、自己主張したり反論したりすることに消極的になったり、脆弱(ぜいじゃく)になってしまう。しかし、これでは犯罪者達にやり得を許し、かえってその後も犯罪が多発するという条件を与えてしまう。

今回の半裸殺人事件は、警察官を装う26歳のインドネシア人の男による日本人女性に対するレイプと強盗、そして殺人事件である。日本であれば、強盗強姦殺人であり、罪状が極めて重い。この事件は、もっと真相を追究し、検証の上、強く注意喚起する題材とすべきであろう。そして、このような犯罪被害で泣き寝入りしない方策を講じるべきであろう。

しかし、日本の旅行業界や外務省は、この事件に早めの幕引きを図ったのであろうか。被害者女性の遺体は、現地で9月28日に発見されてから、10月1日には荼毘(だび)に付され、日本時間の10月2日には、遺族に付き添われ、成田に到着しているのである。この事件は、そう簡単に幕引きを図るべきではない。さらなる調査と追求が必要である。

日本の国土交通省や外務省は、この事件の背景にある旅行業者の宣伝内容や現地の治安状況を検証し、二度とこのような被害者を出さないために、現地国政府、そして日本の旅行業界に強く働きかけるべきである。

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