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バリ島の邦人女性の半裸殺人事件(その2)

 リゾート地の開放的な雰囲気の漂うインドネシア・バリ島を旅行中の邦人女性(33歳)が、先月28日、半裸状態で殺害されて見つかった事件で、10月2日、容疑者が逮捕された。インドネシア人の男26歳で、親類から警察官の服装を入手し、警察官を装い、女性旅行者を狙って常習的に犯行に及んでいたという。

この事件は心配していた通り、日本のメディアには取り上げられていない、日本人女性に対する同様の被害が多数発生していたことを白日のもとに曝した。それは、この事件の陰に、警察官を装った男に性的暴行を受け、強盗されるという隠れた事件が数件あったことが分かったからだ。

この容疑者が、この半年間に日本人女性に対し、同様の6件の暴行と強盗を繰り返していたと自供していることと、この容疑者の自宅から女性旅行者から強奪した物品が多数発見されたことから、その事実が明らかになった。

なぜか日本のメディアは、この事件については控えめな報道しかしていないのが不思議であった。この事件の被害状況が、「強盗」と「殺害」という限定された態様で報道していることからも、そこには事の真実を報道するのを遠ざけようとする姿勢が感じられた。

しかし、それで良いのであろうか。警察官の服装をして、被害者から物を奪うため、被害者女性の抵抗を抑えるために下半身の着衣を剥ぎ取ったり(被害者はTシャツだけの半裸状態であった)、全身傷だらけで頭蓋骨陥没骨折に至るまでの強い暴行を加えたりするであろうか。物を奪うだけならこんな暴行は必要ないだろう。

つまり、これは明らかに、警察官を装った男が、被害者女性に性的暴行を加えようとしたのに対し、被害者が激しく抵抗したことを示している。そして、この男は、被害者女性の抵抗を抑圧し、性的暴行を加えた。この性的暴行とは、レイプのことであり強姦のことである。つまり、この被害者は、レイプされた上に強盗被害に遭っているのだ。そして、殺害された。

ところで、日本のメディアはこの報道に関し、「レイプ」や「強姦」という言葉を避けようとしているように感じる。しかし、報道が国民の知る権利に貢献するものである限り、事実を事実として伝え、国民に注意を喚起すべきであろう。そして、この事件をメディアや世論の俎上から簡単に葬り去り、幕引きを図るべきではない。

それは、比較的治安が良いとされているインドネシアのバリ島でも、日本に比べたら治安は遥かに良くないということであり、日本人女性の多数が性的被害や強盗被害などに遭っているという事実である。また、報道されないこれらの犯罪被害が多数発生しているという事実である。

そして、若い日本人女性を狙ったビーチボーイといわれる若い男達による性的被害が多いという事実である。また、薬物を仕組んだ飲み物や食べ物などによる昏睡強盗や性犯罪が多いという事実だ。男達は、親しげに日本語で話しかけ、巧みに誘いかけてくるという。

日本のメディアは、一部の旅行業者や旅行業界に遠慮して、海外旅行先や海外ロングステイ先に潜む危険を国民に知らせることを躊躇すべきではない。また、日本の外務省も、この問題につき、現地情報を踏まえ、検証の上、詳細な事実を国民に開示し、注意喚起すべきである。

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