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ガン治療の比喩と指揮監督権

このところメディアの報道は、民主党側の発言に対する「揚げ足取り」が多くなったような気がする。言葉尻を捉えて、批判する姿勢が頻発しているような気がするのだ。それは、何を目的に頻発しているのだろうか。内閣総理大臣の指揮権発動を牽制するために、民主党側の言葉尻を捉えて、攻撃しているのだろか。ここには俳人、松尾芭蕉が詠んだ「物言えば唇寒し秋の風」の俳句が彷彿(ほうふつ)とされる。それでは国会議員の自由な言論が封圧されてしまう懸念があるのだ。

また、メディアは、今行われている通常国会の審議の中では、論戦の焦点は、「政治と金(カネ)」であるかのように報道し、煽っている。これでは民主党が、先の衆議院選挙で308議席を確保して与党政権となり、前の自公政権から政権を奪取してから初めての通常国会の審議がスムーズに進まない。メディアは、この国会審議を妨害する方向で、「揚げ足取りに」に加勢しているかのようだ。

警察や検察からの取り調べ内容のリークで、メディアは、さも被疑者の犯罪事実が確定したかのような錯覚を世論に与え、その公務員の「リーク」という手法の情報漏えいに加担していることは、他のブログでも述べた。そのリークは、公務員の守秘義務違反の疑いが濃厚であり、公務員法違反である疑いが強い。今後、メディア側も、国家公務員法違反や地方公務員法が規定する守秘義務違反の幇助(ほうじょ)として共犯とされ、その行過ぎた報道姿勢が追及される可能性がる。

それを防止するための陽動作戦として、メディアは「揚げ足取り」の姿勢を頻発させているのだろうか。特に、大手新聞の「あげ足とり」が目立つ。これでは新聞購読者も、記事を読むのに嫌気がさして、新聞から遠ざかってしまうだろう。定期購読者の減少にますます拍車が掛かるのではないか。

ところで、鳩山由紀夫内閣総理大臣には、行政府を統率する責任と義務がある。つまり、内閣総理大臣には、検察を含む行政府の統率権があり、これを行使する義務があるのだ。これは、日本国憲法に規定されている。統率権とは、指揮監督命令権である。検察といえども、行政機関の一部であり、最高検察庁の上には法務大臣がいて、そのトップには内閣総理大臣がいる。つまり、内閣総理大臣が指揮権を行使することは、憲法が認めているのだ。したがって、いざという時は、指揮権の行使、つまり指揮権発動も憲法は保障しているということである。

ここで人に悪さをするガン細胞を考えてみた。がん細胞が自ら増殖し、生命すら脅かしそうな攻撃を仕掛けている場合は、その細胞を切除したり、放射線照射などでその増殖を抑えたりする治療が行われることがある。抗がん剤による治療も行われる。厄介なことに、がん細胞の増殖には、生体の免疫機能にとって重要なマクロファージが加担していることが、最近の研究で明らかになってきたのだ。

今、民主党の小沢一郎幹事長の資金管理団体「陸山会」の土地購入資金をめぐる疑惑を追及している東京地検特捜部は、もしかすると、民主党を中心とする与党政権の生命をも奪いかねない攻撃を仕掛けているようにも見える。ここでは、生命の維持には、内閣総理大臣の指揮権発動も否定されるものではないということを、ガン治療の最前線の理論を比喩にして、考えてみた。

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新聞の論調と国民の期待

  この新聞の人語子といわれる執筆者は、自己の文章に陶酔し、思い上がっているのであろうか。1月21日のA紙の東京版の朝刊を見て、そう想った。

  それは、政権交代して5ヶ月にも満たない民主党に対する批判の言辞がそこに表現されているからだ。今の与党民主党は、国民の負託を受けて、先の衆議院選挙で308議席を獲得し、それまでの与党であった自公政権から政権を奪取したのだ。その政権奪取の功績には、現在の民主党幹事長を努める小沢一郎氏の功績が大きいことは、周知の事実である。

 その小沢氏を、検察が政治資金規正法違反という形式犯でターゲットにし、摘発しようとしているのだ。

これでは与党政権が瓦解する懸念が出てくる。政治的に民主党が嫌いだというのであれば、その人語子の言い分も理解できるが、大衆に届けられる新聞の論調としては、いかがなものであろうか。

 それは、人語子にも思想信条の自由があり、新聞社にも報道の自由があるであろうが、国民が選択した与党の民主党という政党に対する批判としては、余りにも偏向しているのではないだろうか。司直の一つである検察の動きが絶対でないことは、過去に冤罪事件が多発していることからも推認できる。また、この冤罪事件には、メディアも警察や検察のリーク情報を世間に露出させることで、大きく加担してきたことも事実であろう。

 だとすれば、新聞は、裁判で確定していない容疑事実や被疑事実には、口を慎み、控えめに報道すべきであろう。国民の多くは、今の与党政権に、過去の政治と金にまつわる問題よりも、現在の景気低迷や生活不安の払拭を求めているのではないだろうか。新聞は、これらの国民の声を代弁し、政治を有効に機能するように導くべきであろう。批判するだけが能ではない。それは、今日のA紙の第1面下部のコラム欄を見て感じた感想である。

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過剰報道と国政調査権の行使

朝日新聞の東京版朝刊2010年1月20日第13版の第4面、政治欄に「民主、検察批判に拍車」、「メディアに矛先」とのトップ見出しで、「検察捜査と報道をめぐる与党内の発言」の要旨が、一覧表で掲載されている。この記事全体では、メディアに対する報道規制を警戒しつつ、「検察はいつも正義だ」と言えないことを結論付けている内容にも取れる。

これは、小沢一郎民主党幹事長の資金管理団体、陸山会の土地購入資金をめぐる問題に関して、である。小沢氏の元秘書で現職の衆議院議員である石川知裕氏を含む3人が逮捕されている。この逮捕劇は、衝撃的であった。それは、任意の事情聴取として石川知裕衆議院議員を東京地検特捜部に出頭を要請しておいて、現職の国会議員をその事情聴取中にいきなり逮捕してしまったからだ。

まさか、石川代議士も周囲の人たちも、現職国会議員の任意出頭で、いきなり逮捕とは想像していなかったのではいか。しかも、逮捕容疑は政治資金規正法違反という、「形式犯」によるから尚更だ。この「形式犯」には、法律学上の定義があり、この法令違反は「形式犯」という。そこに実質的な「違法性」や「責任」があるかどうかで、この「形式犯」であることを否定するような見解が一部になされているが、この方には「法律学」を再度、点検していただきたい。

この「形式犯」で、国民の代表として、「国民の負託」を受け、衆議院議員として活動している現職の国会議員を、民主党大会を直前に控え、また、通常国会を数日後に控えた時期に逮捕できるものであろうか。現職の国会議員であれば、逃げも隠れもしないであろう。逮捕までして身柄を拘束しなくても、事情聴取はできるのではないか。これは明らかな不当逮捕ではないか。

そして、東京地検特捜部は、いわゆる「ガサ入り」と言われる家宅捜索をして、現職国会議員の政治事務所や個人事務所、個人宅まで強制捜査し、個人の日記やメモ帳、PCまで押収しているのだ。これは、民主党政権に対抗する側からの仕組まれた攻撃なのだろうか。この辺の真相は、立法府の国会としての国政調査権の行使も視野に、次に述べるリーク犯を逮捕して、取り調べる必要がありそうだ。

それは、この事件に関する検察サイドからのメディアへのリークが頻繁だからだ。逮捕された3人の取調べの内容がリークされ、メディアを使って、さも、被疑事実とされる内容が、確定した犯罪事実であるかのように頻繁に報道されているのだ。これは、過剰報道だ。これは、日本国憲法が、たとえ容疑者や被告人であっても、裁判所で有罪判決が確定するまでは犯罪者としては扱わないことを規定していることに反する。「有罪」が確定するまでは、「推定無罪」なのだ。また、取調べ中の内容をリークという手法を使って世間に漏洩させることは、国家公務員法違反であり、刑事訴訟法違反である。政府与党は、行政府のみならず立法府という統治機構をあげて、このリーク犯を捜査して逮捕し、その動機や違法性、責任を取り調べ、厳正に対処すべきであろう。立法府としての国会には、国政調査権があるのだ。

さて、先の朝日新聞の報道であるが、同記事枠の中に「識者の見方は」というコラムがあるので、一部抜粋する。そこには、田島泰彦上智大学教授(メディア法)の「取材の規制 とんでもない」のタイトルの中に「メディアは検察のやり方を批判的に考え、検察情報の扱い方をしっかりしないと検察に使われてしまう。」という文言があり、「小沢氏の政治資金をめぐる問題ではメディア全体が意図的なリークに乗る方向で機能した気がする。」との言説がある。また、元共同通信編集主幹でジャーナリストの原寿雄氏は、「『検察が正義』疑う必要も」の中で、「マスコミと検察が一体になった情報操作だという主張も理解できる。」とあり、「検察がいつも正義だと信じていいかは疑ってかかる必要がある。」と述べているのだ。

この問題では、前述のように現職の国会議員が逮捕されているのだ。しかも、そこには不当逮捕である疑いがある。ここには、国会の国政調査権の行使に必要性と合理性があるであろう。この問題に関しては、民主党はじめ、社民党、国民新党などを含む政権与党は、国会としての国政調査権を行使すべきであろう。それは、検察といえども行政権の一部であり、立法府である国会の代議士である現職衆議院議員の不当逮捕は、国会として座視できないと考えるからだ。

なお、民主党の小沢一郎幹事長の東京地検特捜部への任意の事情聴取のための出頭要請が続いているようであるが、現状でこれに応じるのは拙速であると思う。それは、この現職国会議員の不当逮捕の疑念まである検察サイドが、どのような動機と目的で動いているか不透明であるからだ。この辺の真相を究明してから、必要性があれば事情聴取に応じるというスタンスが、今の小沢幹事長にとって望ましいと思えるのだ。なぜならば、小沢一郎氏は、現政権の安定の要であり、要の喪失は国政の喪失に繋がる恐れがあるからだ。

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冤罪事件とメディアの報道

「冤罪」という難しい漢字は「えんざい」と読む。この意味は、「無実の罪」、「ぬれぎぬ」のことである(広辞苑)。そして、WEB検索で「冤罪 足利事件(あしかかじけん)」とキーワードを入れて検索すると「足利事件」の真相に関する記事が沢山出てくる。その中でも、「しんぶん赤旗」の昨年6月11日号が分かり易いので、参考にすることをお薦めする。そこには「取調室で何が 髪引っ張り足けり 自白迫られた13時間」とエキサイティングな見出しが出てくる。

この「足利事件」は、DNA鑑定という科学的証拠に名を借りて、無辜(むこ)の人間に幼女殺害の罪をでっち上げたものである。この冤罪によって、警察や検察の取り調べのための勾留などや無期懲役刑の確定によって、17年半も拘束されていた菅家利和さん(現在63歳)が、昨年6月に収監先の刑務所から釈放された。新しいDNA鑑定技術によって、冤罪であることが分かったからである。

また、同じく「冤罪事件」とされるものに2003年に鹿児島県志布志町で起きた選挙違反罪事件がある。これは、警察、検察ともに取り調べで自白を強要し、地元で尊敬されていた簡易郵便局長を含む13名を冤罪で起訴したものである。この事件は、2007年2月に無罪判決が確定した。この事件では、無実の罪で逮捕された大勢の人たちに長期間の勾留を強いて、内1人には、1年以上もの長期間に渡り、勾留した。この事件は「志布志事件(しぶしじけん)」と呼ばれている。詳細は、フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』にも掲載されている。この事件での自白を強要する取調べの状況は、誠におどろおどろしい。

このような冤罪事件は、なぜ起きるのであろうか。それには、警察や検察の自白偏執主義があるからである。そしてもう一つ、その発生に大きな影響を与えるものに警察や検察がするリークがあると考えられる。これは、メディアに向けられたリークである。そして、これがニュースとなり、さも、容疑者や被告人が犯罪者であるかのような錯覚を社会に与えるのである。その結果、これが取調べや判決にハレーションを起こし、反映されてしまうと考えられるのだ。

しかし、このような警察や検察からのリークは、日本国憲法上も、刑事法上も許されるものではないだろう。たとえ被告人とされても、裁判で刑が確定するまでは、「推定無罪」であるからだ。特に志布志事件は、政治がらみの事件であった。政敵側から仕組まれたでっち上げ事件であったのだ。この結果、被疑者とされた無実の人たちが、長期間に渡り、自由を奪われ勾留されたばかりではなく、政治活動からも遠ざけられてしまった。

今、メディアが騒がしい民主党幹事長の小沢一郎氏に向けられた政治資金規正法違反の問題も、東京地検からのリークがすさまじいようだ。現職衆議院議員を含む3名も逮捕して、勾留している。そして、未決であるにもかかわらず、さも、犯罪事実が確定したかのようなメディアの報道が相次いでいる。これは、あまりにも政治的過ぎるのではないだろうか。これでは、せっかく政権を交代した与党民主党を疲弊させ、重要な国会審議に甚大な影響を与えかねない。また、国民の政治不信も大きく煽る。

このような不公正とも考えられる司法当局からのリークは、いかがなものであろうか。これは、厳禁すべきであろう。また、政府は、そのリークしている人物を特定し、きちんと対処すべきであろう。なぜならば、それは日本国憲法や刑事訴訟法、国家公務員法にも違反し、公務員の倫理規則にも著しく反する許し難い行為であると考えるからだ。また、メディアも、被疑事実が未決であることを考え、行過ぎたニュース報道は控えるべきであろう。

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ターコイズ・ブルーの旅行カバン

 今年は元日早々、各商店街やショッピングモールが大賑わいのようだ。福袋がよく売れているという。Akkiiが住まう埼玉県南東部にも、大型ショッピングモールが複数ある。

 元日の午後から連れ合いに誘われ、その一つ、越谷レイクタウンにあるイオンのショッピングモールに出かけてみた。付近の道路は、大混雑。駐車場を探すのも一苦労だった。やっとの思いで屋上の駐車スペースを見つけ、車を留めて2階の通路に出てみた。凄い人出だ。メイン通路は、双方向に行き交う人や、店舗を眺める人、また人で、思うように進めない。ここばかりは、世の不景気が、どこかへ吹き飛んでしまったような光景だ。目当ての賞品の福袋を探してみると、売切れの表示が目立った。購入者達は、皆、賢く、目ざといのだろう。

 このイオンのショッピングモールは、「越谷レイクタウン」という駅名のJR武蔵野線の駅から徒歩で行くことができる立地にあり、駅に近い方のモールは、風タウンといい、そこからビルの2階同士が動く歩道で結ばれている駅に遠い方のモールは、森タウンという。動く歩道の上もその脇の通路も、人、人、人。大きな福袋を下げた人が目立った。

どちらのモールにもフードコートがあり、どちらも混雑していた。フードコート内の各店舗には、飲食物をオーダーする人の長い行列ができていた。連れ合いのウィンドー・ショッピングが長いので、付き合うのに疲れ、一人風タウンの1階にあるフードコートでマックのコーヒーを飲もうと列に並んでみた。何とコーヒー1杯を確保するのに立ち待ちの時間が20分超であった。そして、そのコーヒーを飲もうと、フードコート内で座席を探し回ったが見つからない。仕方なく通路の待合場所まで移動して、空いている椅子を見付け、コーヒーを飲んでいたら、暫くして連れ合いが戻ってきた。

連れ合いは、長時間待たせたのを悪いと思ったのか、待合場所の前がたまたま大型スポーツ用品店であったので、そこのテニスコーナーでテニス用のキャップを新年特別割引価格で購入し、Akkiiにプレゼントしてくれた。その店のレジに並んでいると、目の覚めるようなターコイズ・ブルーの迷彩模様を施した、キャスター付きで上下2段仕様の旅行用バックを持っている若い女性が目に留まった。商品タグがぶら下がり、購入したばかりのようであった。その色彩が余りにも艶やか(あでやか)で目立ったので、凄く印象的であったのだ。

そして、こんな目立つ旅行カバンを持って海外旅行や海外ロングステイに出かけたら、犯罪者達のいい標的にされてしまうだろうと危惧を抱き、他人のことながら同情した。それは、去年9月に起きたインドネシア・バリ島の邦人女性に対する誘拐、半裸殺人事件に関して、現地の大使館が注意喚起の情報を2回に渡り、「目立たないように」との内容で発出していることが分かっていたからである。でも、また、回目情報「目立たない」、「用心を怠らない」、「行動を予知されない」であという。

付き人と共に行動する芸能人や大勢のSPを同行させている政府要人でもない限り、海外旅行では、目立つことは、それだけ犯罪の標的になり易いということである。海外では、治安の悪い地域の一般旅行者は、危険を回避するため、できるだけ目立たないように、現地の人達に溶け込むくらいの、まさに迷彩仕様が求められるのである。

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