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世界旅行のための地球の科学 (その3)

世界を旅するための頭の体操の続きである。冬季オリンピックに続き、パラリンピックが行われるカナダのバンクーバーは、現地時間の3月の第2日曜日から夏時間(サマータイム)となるようだ。そうすると、パラリンピックの開会式がある3月12日(金)は標準時間で、その翌々日の3月14日()は夏時間に変更されるのだろうか。こんな世界的行事が予定されているときにその変更があるのかどうか、不明であった。

バンクーバーの夏時間とは、日本時間からみて標準時差がマイナス17時間であったのが、現地時刻が1時間早くなり、マイナス16時間となるのだ。それをネットで調べても、いろいろな情報が飛び交い、明確な回答が得られなかった。そこでカナダ大使館に電話したところ、質問事項を簡単に書いて、FAXで問い合わせるようにと指示され、昼にそのFAXをした。すると夕方には、カナダ大使館広報部から回答があった。

それによると、夏時間は3月の第2日曜日から11月の第1日曜日となっているという。今年は、現地時間の3月14から11月7日までが夏時間ということになる。そして、その回答には、親切にもパラリンピックのスケジュールのコピーが添えられてあった。それによると、パラリンピックの開会式は、現地時間の3月12日(金)18時からであることが分かった。その翌々日の14日()からは、時間が1時間早くなる夏時間である。したがって、開会式の次の日の13日(土)の夜は、1時間短くなるということになる。

特にこの夏時間で、当方の思考の混乱に拍車をかけ、混迷を深めさせたのは、ネット検索によるJAL(日本航空)のWEBサイト「世界時計、カレンダー」があったからだ。そこでは、日本時間が3月9日10時30分の時点で、バンクーバーの現地時間が「3月8日18:30」で、「GMT-07:00」とサマータイムで表示されていたからだ。

日本航空(JAL)が、間違って表示することは無いだろうという前提で考えていたが、これはカナダ大使館からのメッセージが正しいとすると、JALが間違っているということになる。日本航空が経営不振のあおりで現地情報に疎くなっているとは考えたくないが、昨年3月の第2日曜日が3月8日で、昨年はこの日からサマータイムが始まっているのを、そのままの日付で今年のサマータイムを表示し始めたのであろうか。俄かには信じがたい現象である。

ところで、ここで述べたかったのは、バンクーバーの標準時差が17時間であるのは、(その2)で述べたが、なぜマイナスなのかということについてである。

それは、こうである。まず、太陽の動きの方向で考えると、イギリスのグリニッジ標準時の基準子午線である東経も西経も0度の経線かみて、日本は日付変更線に近いほうにある。日付変更線を照らした太陽は、日本を照らした後で、イギリスに向かう。したがって、日本時間の時刻は、グリニッジ標準時よりも早く進んでいることは既に述べた。この早く進んでいるということが、「プラス」なのである。そして、グリニッジ標準時との時差は、グリニッジからみてプラス9時間なのだ。

この時差が、プラス9時間であることは、日本の明石市を通る東経135度の子午線の数値135度を太陽が1時間あたりで動く15度(これは、相対的に地球が1時間で自転する角度15度である)で割ると9時間となり、135度は9時間に相当する太陽の動き(地球の自転の角度)であることが分かる。これはグリニッジ標準時からみてプラスであるから、日本時間は、「GMT+09:00」という表示になる。GMTとは、”Greenwich Mean Time”の略号である。

これを逆にして日本時間からみれば、グリニッジ標準時はマイナス9時間なのである。つまり、日本が午前11時の時に、イギリスは、11時-9時で2時となり、草木も眠るといわれる真夜中の午前2時なのだ。

そして、バンクーバーでは、近くを通る西経120度の子午線を、グリニッジの経度0度の子午線を照らした太陽が8時間後に通過することになる。したがって、バンクーバー時間は、グリニッジ標準時から見てマイナス8時間である。標準時間では「GMT-08:00」という表示である。

さらに、日本時間からみれば、グリニッジ標準時がマイナス9時間、そこからバンクーバー時間がマイナス8時間であるから、バンクーバー時間は、マイナス9時間 + マイナス8時間の合計でマイナス17時間となるのだ。これを逆にして、バンクーバー時間から日本時間をみた場合には、反対にプラス17時間となる。したがって、パラリンピックの開会式が予定されているバンクーバー時間の3月12日(金)午後6時は、17時間をプラスして、日本時間では3月13日(土)午前11時となるのだ。そして現地時間の3月14日(日)からは、夏時間となり、現地時間に16時間をプラスして日本時間を計算することになるのだ。

ここで注意すべきことがある。それは、海外旅行や海外ロングステイ先での生活の実際を考えると、日付や時刻を無視して、夜が明ける時間や日が暮れる時間を考える必要があることである。これは滞在中の現地から日本の家族に電話をかけるときなどに重要である。それはバンクーバーの夜が明けてから約7時間後に東京の夜が明けるし、また、バンクーバーに夜の帳(とばり)が下りてから約7時間後に東京に夜の帳が下りるということである。これは1日24時間に対し、標準時差が17時間であることから、24時間マイナス17時間は7時間であることからも分かる。人為的に設けられた日付変更線や子午線や標準時間は、地球の自然現象には影響していないのである。つまり、「それでも地球は回っている」のである。

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» 夏時間と時差ボケ [merry-akkiiのそうか日本語、そうだ日本語]
 時差ぼけは、飛行機に乗って時差のある国や地域に出かけた場合に起きる。船や自動車やバイクで出かけてもこの時差ぼけは起きない。英語では、「時差ぼけ」のことを「ジェット・ラグ jet lag」という。  ところで、この時差に思わぬ伏兵がいる。それは、標準時間のほかに夏時間を設けている国や地域があることが原因している。日本との時差を考える上で、これが悩ましい。特に3月とか4月にこの切り替えが行われる国や地域が多いのだ。  冬季オリンピックが終わったばかりのカナダのバ..... [続きを読む]

受信: 2010年3月10日 (水) 10時01分

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