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瓶の中に閉じ込められた日本の国防力

   社民党の盛衰の歴史には激しいものがある。かつては「社会党」と名乗り、野党第一党であった社民党であるが、自民党に魂を売ったかのように自民党と社会党の連立政権に就き、与党となった歴史を作って以来、党勢が衰勢の一途を辿った。それまでの党としての主張をゆがめたからだ。この轍を繰り返すべきではない。これは民主党にとっても言えることだ。政党は、党の主張をゆがめてはならない。鳩山首相は、ぶれるべきではない。夏の参議院選挙はもう直ぐだ。

今、沖縄県の米軍海兵隊普天間基地の国内移設先問題が暗礁に乗り上げている。辺野古沖移設も地元で反対運動が盛んだ。鹿児島県の徳之島でも、民意は普天間基地移設反対が大多数だ。この際、米国には普天間基地の移転先としての受け入れを容認する自治体がないことを伝え、日本から撤退してもらったらどうだろうか。米国が、基地移転は地元の同意があることが条件であるとしているからだ。この際日本は、米国頼みではない独自の国防力を備え、米軍基地の縮小、撤退を早期に促すべきだろう。

ところで、日本の安全保障は、米軍頼みの国防では心もとないのは言うまでもない。かつて、北朝鮮のミサイル発射により、ミサイルが日本列島上空を飛び越えて太平洋に落下したことがあったが、このときの事例を考えても分かる。米国は事前にこの情報を把握していながら、直ぐには日本には伝えてこなかった。また、この直後に米軍高官が、北朝鮮ミサイルに対する迎撃は、米国に危害が及ばなければ米軍は対応しないと言ったのだ。

日本の軍事力をそぎ落とす理論として、国際政治で論じられてきたものに「瓶の蓋(びんのふた)論」というのがある。これは米軍が日本に駐留することにより、日本の国防力を瓶(びん)の中に閉じ込め、日本の軍事力をなくしてしまおうという理論だ。日本の防衛力が瓶の中に閉じ込められた結果が、戦後65年も経て日本国内に134箇所もあるとされる在日米軍基地や施設の存在なのだろうか。

多くのアジアの諸国では、「日米安全保障条約により、日本の軍国主義化が防がれる」として瓶の蓋論を支持しているという。また、かつて在日米軍の司令官がそのような発言をして、物議を醸したことがあったという(参照:大江博 著、『外交と国益』、p172、2007年、NHKブックス)。

しかし、今でも日米安全保障の取り決めで、日本がこのレトリックに乗せられることにより、米国の掌(てのひら)の内で踊らされている懸念があるのだ。これには中国や北朝鮮も一体となって、日本の軍事力のそぎ落としに加担していることも想定しておく必要があるだろう。

最近、韓国軍の艦船が北朝鮮軍の魚雷により撃沈され、多数の犠牲者が出た。これが日本に向けられたレトリックであれば、日本は国際政治の場で迷走しているということになるだろう。また、韓国も犠牲者だ。日本は、マッチポンプの言動には踊らされないように、細心の注意が必要だろう。

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