賢い航空券の確保の仕方と海外ロングステイ
日本では、海外旅行のために往復の格安航空券を入手した場合は、殆どフィックスチケット・タイプとなり、帰りの航空便が指定されてしまうことになる。それは、帰りの便の変更や期日の変更ができないということだ。したがって、現地で滞在日を延長しようとしたり、滞在日を切り上げて、早めに帰国しようとしたりする場合には、この帰りの航空券を放棄するしかなくなる。
そして、帰りの航空便の変更や、帰国日の変更が可能なオープンチケット・タイプの航空券を日本で購入した場合には、値段が高く、格安な航空券ではなくなってしまうことが多い。日本で売られている航空券は料金が高いものが殆どだ。有効期間が3ヶ月以上の往復航空券としてのオープンチケットは、往復の格安航空券の2倍以上の価格である場合が多いのだ。
したがって、格安な航空券を使って、ビザ(入国査証)なしで海外ロングステイをしようとするならば、とりあえずは、格安航空券で往復の航空券を確保しておいて、渡航先の国や地域に入国するのが経済的で合理的だ。それは、国によっては違うが、ビザなしでの入国を認めている国は、殆どが帰りの航空券があることを条件としているからだ。
そして、帰りの便名と期日が指定されている短期日の航空券は放棄するのだ。帰りの航空券は、現地で片道だけの格安航空券を確保するか、日本往復の格安航空券を確保するのである。この方が割安である場合が多い。格安航空券は、便に乗り遅れたり、キャンセルしたりした場合には、その航空券は無効になる。それは、事実上の航空券の放棄である。ここでは、あえてこの放棄を使うのだ。
海外旅行のベテラン経験者やロングステイの習熟者は、渡航先の現地で日本行きの有効期間1年のオープンチケット・タイプの往復航空券を購入したり、世界一周航空券を調達したりして、格安に日本と海外を行き来している人が多いのだ。日本の空港に多くのLCC(格安航空)が就航しても、暫くの間はこの構図は変わらないだろう。それは、LCCの航空券ですら、日本で買うよりも海外で買ったほうが割安であるからだ。
ところで、海外ロングステイに出かける場合、例えば、現在日本人に人気のマレーシアでは観光目的であれば、ビザ(入国査証)なしで3ヶ月間の滞在期間が認められる。そして、その滞在が許可された期間内に、一度、他国へ出国して再入国すれば、更に3ヶ月間のビザなし滞在が認められるのだ。
ただし、これには条件がある。それは、ビザなし(無査証)でマレーシアへ入国できるためには、(1)観光目的であることと、(2)帰りの航空券があることと、(3)パスポートの残存有効期間が6ヶ月間以上あることが最低の条件となっている。また、(4)再入国を繰り返しても1年間に滞在できる期間は合計で6ヶ月以内となっている。
6ヶ月とは約180日であり、十分に長い期間である。MM2Hなどの長期ビザを取得して、ロングステイをすることを考えるならば、この6ヶ月の滞在可能期間をビザなしで滞在してみて、5年間や10年間などの超長期ロングステイのための助走期間ないしはテスト期間としてみることをお薦めする。
また、タイではビザなしで滞在できる期間が、航空機でタイに入国した場合には30日、陸路で隣国のマレーシアやミャンマーやカンボジア、ラオスなどから入国した場合には15日と定められている。そして、一度出国し、再入国した場合には、さらにそこから滞在期間が空路では30日間、陸路では15日間が認められることになっているのだ。
これらのビザなしで認められる滞在期間を使って、現地の気候風土や社会や文化にご自身が適応できるかどうかを、確かめてみることが、更なる長期のロングステイのためには必要だ。ビザなし滞在の期間をロングステイの助走期間ないしはテスト期間としてみるのである。
海外ロングステイには、異文化接触による、大なり小なりのカルチャーショックが付きものである。この助走期間を設けない場合には、イソップ物語に出てくるような「すっぱいブドウ反応」のように、ここにロングステイしているのは、ここが楽しいからだ、ここが素晴らしいからだ、ここが快適だからだ、と自分自身に言い聞かせながら、悶々とした長い日々を過ごすことになる危険が懸念される。
「すっぱいブドウ反応」とは、自我防衛機制という自分を守るための精神上の合理化機制の防衛機能であるが、これが機能し出すことは、ロングステイではなるべく避けた方が賢明である。それは、うつ状態を伴ったりして発症する適応障害と紙一重であるからだ。こんな危険は避けるべきだ。
因みに、マレーシアでは、MM2Hの申請は、政府から許可されたエージェントを通して行うことになっていたが、2009年1月9日から次のように変更されていることが、マレーシア政府観光省のMM2HプログラムのオフィシャルサイトのHPにUPされている。一部抜粋して掲載する。
「外国人は第3者を経由せず直接MM2Hプログラム参加の申請をすることができます。または、従来どおりマレーシア観光省によって免許を受けたMM2Hエージェントのサービスを利用することもできます。」
「マレーシア観光省の新規MM2Hエージェントの免許は凍結されます。」
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