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賢い航空券の確保の仕方と海外ロングステイ

日本では、海外旅行のために往復の格安航空券を入手した場合は、殆どフィックスチケット・タイプとなり、帰りの航空便が指定されてしまうことになる。それは、帰りの便の変更や期日の変更ができないということだ。したがって、現地で滞在日を延長しようとしたり、滞在日を切り上げて、早めに帰国しようとしたりする場合には、この帰りの航空券を放棄するしかなくなる。

 そして、帰りの航空便の変更や、帰国日の変更が可能なオープンチケット・タイプの航空券を日本で購入した場合には、値段が高く、格安な航空券ではなくなってしまうことが多い。日本で売られている航空券は料金が高いものが殆どだ。有効期間が3ヶ月以上の往復航空券としてのオープンチケットは、往復の格安航空券の2倍以上の価格である場合が多いのだ。

 したがって、格安な航空券を使って、ビザ(入国査証)なしで海外ロングステイをしようとするならば、とりあえずは、格安航空券で往復の航空券を確保しておいて、渡航先の国や地域に入国するのが経済的で合理的だ。それは、国によっては違うが、ビザなしでの入国を認めている国は、殆どが帰りの航空券があることを条件としているからだ。

そして、帰りの便名と期日が指定されている短期日の航空券は放棄するのだ。帰りの航空券は、現地で片道だけの格安航空券を確保するか、日本往復の格安航空券を確保するのである。この方が割安である場合が多い。格安航空券は、便に乗り遅れたり、キャンセルしたりした場合には、その航空券は無効になる。それは、事実上の航空券の放棄である。ここでは、あえてこの放棄を使うのだ。

 海外旅行のベテラン経験者やロングステイの習熟者は、渡航先の現地で日本行きの有効期間1年のオープンチケット・タイプの往復航空券を購入したり、世界一周航空券を調達したりして、格安に日本と海外を行き来している人が多いのだ。日本の空港に多くのLCC(格安航空)が就航しても、暫くの間はこの構図は変わらないだろう。それは、LCCの航空券ですら、日本で買うよりも海外で買ったほうが割安であるからだ。

 ところで、海外ロングステイに出かける場合、例えば、現在日本人に人気のマレーシアでは観光目的であれば、ビザ(入国査証)なしで3ヶ月間の滞在期間が認められる。そして、その滞在が許可された期間内に、一度、他国へ出国して再入国すれば、更に3ヶ月間のビザなし滞在が認められるのだ。

ただし、これには条件がある。それは、ビザなし(無査証)でマレーシアへ入国できるためには、(1)観光目的であることと、(2)帰りの航空券があることと、(3)パスポートの残存有効期間が6ヶ月間以上あることが最低の条件となっている。また、(4)再入国を繰り返しても1年間に滞在できる期間は合計で6ヶ月以内となっている。

6ヶ月とは約180日であり、十分に長い期間である。MM2Hなどの長期ビザを取得して、ロングステイをすることを考えるならば、この6ヶ月の滞在可能期間をビザなしで滞在してみて、5年間や10年間などの超長期ロングステイのための助走期間ないしはテスト期間としてみることをお薦めする。

また、タイでビザなしで滞在できる期間が、航空機でタイに入国した場合には30日、陸路で隣国のマレーシアやミャンマーやカンボジア、ラオスなどから入国した場合には15日と定められている。そして、一度出国し、再入国した場合には、さらにそこから滞在期間が空路では30日間、陸路では15日間が認められることになっているのだ。

これらのビザなしで認められる滞在期間を使って、現地の気候風土や社会や文化にご自身が適応できるかどうかを、確かめてみることが、更なる長期のロングステイのためには必要だ。ビザなし滞在の期間をロングステイの助走期間ないしはテスト期間としてみるのである。 

海外ロングステイには、異文化接触による、大なり小なりのカルチャーショックが付きものである。この助走期間を設けない場合には、イソップ物語に出てくるような「すっぱいブドウ反応」のように、ここにロングステイしているのは、ここが楽しいからだ、ここが素晴らしいからだ、ここが快適だからだ、と自分自身に言い聞かせながら、悶々とした長い日々を過ごすことになる危険が懸念される。

「すっぱいブドウ反応」とは、自我防衛機制という自分を守るための精神上の合理化機制の防衛機能であるが、これが機能し出すことは、ロングステイではなるべく避けた方が賢明である。それは、うつ状態を伴ったりして発症する適応障害と紙一重であるからだ。こんな危険は避けるべきだ。

因みに、マレーシアでは、MM2Hの申請は、政府から許可されたエージェントを通して行うことになっていたが、2009年1月9日から次のように変更されていることが、マレーシア政府観光省のMM2HプログラムのオフィシャルサイトのHPにUPされている。一部抜粋して掲載する。

「外国人は第3者を経由せず直接MM2Hプログラム参加の申請をすることができます。または、従来どおりマレーシア観光省によって免許を受けたMM2Hエージェントのサービスを利用することもできます。」

「マレーシア観光省の新規MM2Hエージェントの免許は凍結されます。」

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海外旅行の感染症対策と安全の手引き

日本円が強くなった今、海外旅行や海外ロングステイに出かける人が多そうだ。日本を含む東アジアやヨーロッパの国々が冬に向かうこの時期、南半球の大洋州のニュージーランドやオーストラリア、南米の国々などは、これから夏に向かう。そして、熱帯や亜熱帯に属するアジアの国々は、雨季を抜け出し、乾季に向かう国々も多いだろう。

外務省が、海外で注意すべき感染症とその対策などについて、海外ページ(HP)に詳細にアップしている記事がある。このHPを見ると熱帯や亜熱帯地域、そして、温帯地域でも夏の海外における注意すべき感染症とその対策では、虫除け対策が重要であることが分かる。これは夏休みに海外へ渡航される皆様へ海外で注意すべき感染症について)のタイトルであるが、日本が冬でも参考になる。それは、海外旅行先の暑い地域での感染症対策の必要性などを述べたものであるからだ。

Akkiiは、虫によく好かれるため、海外旅行に出かける際には、蚊取り線香や電池式蚊取り器、殺虫スプレーや虫除けスプレーなどを必携としている。特に電池式蚊取り器を2個以上持参している。これは、電圧の違う海外の地でも利用できるので便利だ。これには携帯用としも使える電動ファン付の薬剤拡散効果が高いものが良いようだ。

また、現地で売られている虫除け剤がよく効くことがある。特にニュージーランドのミルフォード地域のサンドフライ対策には、南島のクライストチャーチで現地調達したブッシュマン(Bush man)というオーストラリア製の塗り薬がよく効いた。日焼け止め効果もあるジェル状のものを利用したが、この虫除けの効能は凄かった。これは、ダニや南京虫にも良く効く。

使い残しのブッシュマンを日本に持ち帰って、畑仕事などで使用してみたが、その虫除け効果は絶大であった。これを薄く肌に塗っただけでも、それまでは必ずといっていい位によく刺されていたヤブ蚊やブヨ、アブにも刺されないのである。ただし、残念なことに日本では、薬効成分の薬事法上の規制からか、これが売られていない。

「虫除け剤」を表わす英単語は、“repellent という。この単語のカタカナ発音表記としては、「ゥレレント」と英和辞典にある(ヴィスタ英和辞典、三省堂)。この英単語は、現地ではよく使われている用語であり、虫除け剤の容器にも表記されている。

なお、この単語には、「防水剤」という意味もあるので、ドラッグストアなどでこの虫除けを求めるためには、店頭で”Do you have any insect repellent gel or spray?” (何か虫除けのジェル(ゼリー状のもの)かスプレーがありますか?)と訊いてみるとよい。それで英語が通じなければ、”It protects from a mosquito biting.” “Against an insect bite” 、”Protect from any mosquito biting.”と英単語を並べれば、ブロークン・イングリッシュでも結構意味を理解してもらえ、目的の物が購入できるだろう。

ところで、外務省の海外安全ホームページには、「重要なお知らせ」の中で、行を予定されている様へ」が今月(2010年10月)、リニューアルされてUPされた。これには、海外旅行先で「いかさま賭博」や「睡眠薬強盗」への注意や、海外旅行保険加入の必要性、万一のトラブル発生時の日本国大使館や日本国領事館などの在外公館による支援内容などについて詳細に記載されている。

海外で事件や事故に遭遇した場合には、地元の警察に届け出るとともに、どんな些細なことでもいいから、在外公館に連絡し、その解決策や対処法の指導を仰ぐのが良いだろう(在外公館では仕事が増えてたいへんだろうが・・・)。これを旅行会社や現地ガイドに連絡したり、相談したりしただけでは、解決しない場合が多い。かえって解決方法の困難さを言い含められたりして、うやむやにされたりしてしまう恐れがあるのだ。

そして、海外安全ホームページのトップページから海外人事件簿」をクリックすると、日本人が遭い易い事件や事故の情報がたくさんUPされているのが分かる。これらはドキュメンタリーであるから、読んでみるだけでも面白い。暇な時にでも読んで、安全な海外旅行のための心得としておくのが良いだろう。

また、外務省がロングステイする在留邦人向けに情報提供している「安全の手き」のHPでは、各地の在外公館がまとめた現地情報を分かり易く提供している。これは大変参考になるので、参照されることをお薦めする。

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海外旅行先の先入観と現実とのギャップ

羽田空港に今月(2010年10月)21日にオープンした新国際線旅客ターミナルの4階には、日本の江戸時代の街並みが再現されている。しかし、これは過去の歴史の中の街並みであって、今の日本を象徴するものではない。

この街並みは、海外旅行や仕事で日本を訪れた外国人に、日本そばや寿司、手ぬぐいを売ることを目的として造った装置としては、大げさすぎるから、日本を知ってもらおうとして造ったものなのだろう。しかし、その目的なら博物館や歴史資料館などに外国人を案内することで、日本の古い歴史や歴史上の街並みを知ってもらえば良かったのではないかと思う。

そして、日本の歴史的建造物が多く、時代物の文化文物が展示され、それらが販売されているお土産店が多い浅草や日光、鎌倉、奈良、京都などを案内すればよいことであろう。

「フジヤマ、ゲイシャ、チョンマゲ」と外国人に誤解されてきた日本が、訪日の外国人が最初に訪れるかもしれない空港ターミナルビルに、誤解を抱かせるような街並みを造ったとは、にわかには喜べない現象である。外国人に変な先入観や幻想を抱かせてしまうことが危惧される。

ところで日本人も、間違った先入観をもって海外旅行に行く場合がある。たとえば、インドネシアのバリ島であるが、画家のダリが愛したような、素朴で古き良き時代のバリ島をイメージして観光に訪れ、現実とのギャップに遭遇して、犯罪被害に遭ったりするのだ。

外務省の海外安全ホームページにある邦人事件簿 №42には、海外ロングステイで注意すべき犯罪被害の情報がある。インターネットでは、キーワードを「外務省 邦人事件簿 42」として検索するとこの情報に辿り着くことができる。一部抜粋して掲載する。

1.アジア:待ち構える詐欺

 アジアでは、窃盗、強盗、詐欺、全てに注意が必要ですが、なかでもアジアにおける詐欺被害の割合は全世界の65%と突出しています。特に「いかさま賭博」や「宝石・洋服詐欺」はアジア特有の犯罪と言えます。「睡眠薬強盗」も71%がアジアで発生しています。「複数の人間が、ゆっくりと時間をかけて観光客を罠にはめる」という手口がアジア地域の犯罪の特徴と言えます。

 つまり、南国暮らしなどの海外ロングステイ中には、「複数の人間が、ゆっくりと時間をかけて観光客を罠にはめる」という詐欺被害に遭い易いということである。これには、海外旅行先のボランティアの会やNPOを標榜する海外のコミュニティーにも警戒が必要なのである。

そして、インドネシアのバリ島では、近年、海外旅行中の邦人女性が薬物を仕組まれた飲食物を提供されるなどして、抵抗できない状態で性的被害(強姦)や強盗被害(睡眠薬強盗)などに遭うケースが多発しているのだ。そして昨年は、バリ島のクタのビーチ近くで邦人女性の半裸殺人事件や全裸殺人事件が相次いだ。

海外渡航先の治安や犯罪被害の情報を収集するのには、外務省の海外安全ホームページが役に立つ。日本政府発行のICチップを埋め込まれた新しい方式のパスポートには、そのURLが記載されている。また、ネット検索で外務省のホームページ(HP)からのリンクや、次の邦人事件簿のページから「トップページ」をクリックしても辿り着くことができる。

邦人事件簿 №42のURL:http://www.anzen.mofa.go.jp/jikenbo/jikenbo42.html

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タイの洪水被害と蚊の大量発生の危険

 奄美大島の集中豪雨は、今までの常識をはるかに逸脱していたようだ。メディアの報道によると、鹿児島県の雨量計で奄美市住用町周辺の10月20日正午から午後1時までの1時間雨量が131ミリであったという。これは猛烈な豪雨だ。洪水や土砂崩れなどで犠牲者が出ている。被災者には、心からお見舞い申し上げる。

この異常気象は世界的傾向のようだ。その原因は、地球温暖化であるという。急激に増加している二酸化炭素などの温室効果ガスが、海水や地球の大気に大きな影響を与えているようだ。

ところで、東南アジアの雨期末期のタイでも、洪水被害が深刻なようだ。タイの北部や東北部のチャオプラヤ川やその支流などでも50年ぶりといわれる豪雨により、洪水が発生し、少なくとも17人が死亡し、130万人以上が被災しているという。チャオプラヤ川とは、社会科や地理で習ったメナム川のことだ。そのずっと下流のバンコクにも洪水警報が発令されたようだ(参照:日経新聞WEB刊、10月23日)。

日本人のロングステイヤーが多いスクンビット通りの付近にも洪水警報が発令されているという。同じく、ロングステイヤーに住みやすいとさるタイ北部のチェンマイ付近でも洪水被害はかなりのもののようだ。洪水は蚊の大量発生を惹き起こす。マラリアやチクングニア熱、デング熱などの感染症を人に媒介する蚊の大量発生が危惧される。

海外旅行や海外ロングステイに出かける場合には、行き先の治安情報ばかりではなく、気象情報や医療情報感染症情報などの情報収集を的確にする必要がありそうだ。これには、在現地国の日本国大使館のホームページなどにアクセスし、確認しておくことをお薦めする。

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尖閣問題、「日本の3つの喪失」のインパクト

今日の時事通信社のWEBサイト「時事ドットコム」の社会欄ではアクセス・ランキング第1位は、「反日デモ・実は官製=政府系学生会が組織―香港紙」という記事だ。総合欄でも第3位に付けている。

 これは、10月17日付の香港各紙は16日に中国各地で起きた尖閣諸島問題をめぐる反日デモについて、各大学の政府系学生会が組織したものだったと伝えた、というものである。そして、中国の大学学生会はすべて政府や共産党の指導下にあり、自主的な政治活動は一切認められていない、という。

そして、中国政府は、中国外務省の馬朝旭報道局長に、「一部の群集が日本の誤った言動に対して義憤を表明することは理解できる」と語らせ、「非理性的、違法な行為には賛成しない」と、デモの暴徒化を抑える発言をさせているようだ。

つまり、今回の尖閣諸島問題に絡めて中国各地で頻発し、暴徒化している反日デモは、中国政府主導によって惹き起こされたが、その余りの過激化に中国政府は、これを抑えようとしている、ということになるだろう。よって、この反日デモは、中国政府のマッチポンプで主導されている、ということになるのではなかろうか。

こんな中国の戦略に日本がまんまと乗せられてはいけない。これに関連してネットサーフィンしていると、WEDGE InfinityのWEBページで、国際政治学者・中西輝政氏の評論記事、「中西輝政氏に聞く 尖閣問題、日本の3つの喪失」というタイトルに出会った。大変インパクトのある内容で、尖閣諸島問題に関連する日本の外交と防衛を考える上で、非常に参考になると思われる。

この中で中西輝政氏が挙げている「日本の3つの喪失」の内容には、かなり深刻なものがある。現在の日本の民主党を中心とする与党政権では、この問題は解決できないだろうと考えると暗澹としてくる。日本は、与野党挙げてこの尖閣諸島問題に対処しなければならないだろう。

そして、この尖閣諸島問題をつぶさに検証すれば、日本は国防を含む安全保障政策を再構築する必要がどうしても避けられないだろう。現在の日米安全保障条約だよりでは、日本の領土、領海が守りきれないのが、はっきりしているように思えるのだ。

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中国政府のマッチポンプによる反日行動

中国で続発している反日デモや日本製品不買運動、日系企業に対する破壊活動は、中国政府によるマッチポンプである疑いが強まった。それは、時事ドットコムのWEB記事などでも報道されているが、香港の各メディア伝えた内容によると、反日デモは、「中国政府指導による各大学の政府系学生会が組織した」と表現しているからである。

時事ドコムの記事には、次のように記載されている。

「17日付の香港各紙は16日に中国各地で起きた尖閣諸島問題をめぐる反日デモについて、各大学の政府系学生会が組織したものだったと伝えた。中国政府は「一部の大衆が日本側の誤った言動に義憤を表明した」(外務省スポークスマン)と説明しているが、実際には官製デモだったことになる。」

「中国の大学学生会はすべて政府や共産党の指導下にあり、自主的な政治活動は一切認められていない。」

また、47NEWSの記事には、「中国・四川省でまた反日デモ 群衆含め3万人規模か」のタイトルの中に、「中国当局はデモ封じ込めのため、首都北京など各地で厳重な警備態勢をとり、デモ参加者に『非理性的な違法行為には賛成しない』(外務省)と自制を呼び掛けた。」との一文がある。

ということは、中国政府は、各大学の政府系学生会を使って反日行動を煽動し、反日デモや日本製品不買運動や日系デパートなどへの妨害活動を煽ったが、その余りの影響の大きさに、「非理性的な違法行為には賛成しない」などと述べて、火消しに回り出したということだろうか。

また、余談であるが、中国政府のやらせ報道については、次のような記事も時事ドットコムにある。

「ノーベル平和賞受賞が決まった中国の民主活動家、劉暁波氏の妻で、自宅軟禁されている劉霞さんが17日までに、短文投稿サイト『ツイッター』で、あたかも自由に買い物をしているかのような『やらせ写真』を撮られたと公安当局を批判している。」

つまり、言論の自由や報道の自由のない中国で、中国政府が情報をコントロールし、学生を煽動して、いかにも中国国内で日本に対する抗議行動が先鋭化しているという様を演出させているということだ。そして、それを基に日本に外交圧力を掛けるというような、見境のない蛮行に出ているのが今の中国のようだ。果たして日本は、現状のままの中国とうまく付き合っていけるのだろうか。どうやら日本と中国の「戦略的互恵関係」は、絵に描いた餅に過ぎないようだ。

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海外旅行先のエクササイズ

海外旅行先で、地元の人たちが自然の景観の中でエクササイズとしてウォーキングやランニングをしているのを見かけることがある。こちらも、旅先でのエクササイズとして、ハイキングやウォーキングに挑戦してみることがある。その数コマをここに紹介する。

カナダのバンフ国立公園のサルファー・マウンテンでも、レオタード姿で、頂上に向かって速足でウォーキングしている女性に出会った。あまりの軽装に驚いた。こちらはザックを背負ってハイキングで登っているところであった。頂上は、カナディアン・ロッキーの山々を望める展望のいい山であった。下りには、下りは無料というゴンドラが利用できるので、それを利用した。

アメリカのグランド・キャニオンでは、短パンにタンクトップ姿でペットボトルを手にしただけで谷底に向かっている女性に出会った。こちらはザックに水2リットル以上を詰め込んで、重装備で歩いているところであった。乾燥性気候の炎天下であるから暑い。この谷は、リムといわれる崖の縁から谷底に下るに従って気温が高くなる。途中途中に給水ポイントがあるが、時々故障して利用できないことがあるという。そんな訳で、重い水を背負いながら下るのである。下れば上りがあり、この上りが大変だった。

オーストラリアのシドニーでは、王立植物園付近のシーサイドの道を大勢の人達がランニングしているのを見かける。平日の昼休みにも、ここにはランナーが沢山いる。日本の皇居周りのような込み具合であったが、こちらの方が走るスピードが速く感じられた。アングロサクソン系の脚の長さが影響しているのかも知れない。シドニーでは、キング・ストリート・ワーフがあるダーリング・ハーバーをウォーキングするのも楽しい。

マレーシアのペナン島のジョージタウン郊外にあるペナン・ヒルでは、ペナン植物園の脇の道を、ペナン・ヒルの頂上に向かってウォーキングしている大勢の人達がいる。特に週末に多い。その多くは、単独か数人のグループである。その殆どは華人系の人達だ。

ここにも途中途中に給水ポイントがある。ボランティアにより運営されているというウォーター・ポイントだ。湯冷ましの水やお茶を無料で提供してくれる。衛生上の配慮から、殺菌のため一度煮沸した水やお茶を、冷まして提供してくれているのだ。ただし、その利用者は皆、チップを支払っているようだ。小銭が入った広口ビンなどが置かれている。

ペナン・ヒルの通常のウォーキングコースの終点は、頂上までの道の途中にある最後の給水ポイントまでである。ここは、ハイカーやウォーカー達の談笑の場となっている。殆どの人達がここまで辿り着いて、ベンチで一休みすると引き返す。下り出すのだ。

こちらは、最後の給水ポイントで一休みした後にその先へと進み、頂上までのコースを歩いてみた。その先へは誰も歩いていなかった。熱帯の山であるから、暑い。結構勾配がきつく、距離が長い。手にしていたペットボトルの水は、途中で空になってしまった。頂上に着けば売店もあり、飲み物もある。それを調達し、一気にペットボトルを空にした。下りはケーブルカーを利用した。ただし、ケーブルカーでは、上り口とはほぼ反対側に下山することになるので注意が必要だ。

また、ペナン・ヒルのケーブルカーは夜景を楽しむ人のために夜遅くまで運行されているが、終バスが早いことにも要注意だ。バス便が既になかったので、タクシーを利用して、タンジュンブンガの投宿先のホテルに戻ったことがある。そのホテルは、はす前には高塀で囲われた屋台街があって、その近くにビールを売っているコンビニもあり、そして、タンジュンブンガの朝市には徒歩12・3分で行けるという、便利なロケーションにあった。朝の散歩を兼ねてタンジュンブンガ行きバスの回転場所の直ぐ先にあるこの朝市に出かけてみたことがある。

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タンジュンブンガの朝市

  海外旅行に出かけると、好奇心の旺盛さから何でも見てやろう、何でも経験してやろうという気持ちが湧くことがある。マレーシアはペナン島のタンジュンブンガの朝市でのことであった。マーケットの一角に鍋やタッパなどの器を携えた人の長い行列ができていた。

  見ると牛乳を濃くしたような乳白色の液体を売っていた。計量カップで計りながら売っているのだ。中には器を持たない人もいて、ビニールの小袋にその液体を入れてもらって買っている。

 近くにいる人に訊いてみると、ココナッツミルクを売っているのだと言う。 ココナッツミルクとはどんな味がするのだろう。飲んでみたくなった。そこでその行列の最後尾に並んだ。時間が経過し、段々売り場に近づき、もう直ぐ順番が回ってくるところで店員から英語で声を掛けられた。このココナッツミルクは、生では食べられない。加熱調理用のものだが、それでも買うか、ということであった。生で飲めないのなら、いらないと断った。

  このタンジュンブンガ付近には、ロングステイヤーが数多く滞在する日本のマンション風のコンドミニアムが多い。ロングステイするには、ジョージタウンの中心部コムタや、マレー鉄道駅があるバタワースを結ぶフェリー乗り場ジェッティーからのエアコン付きのバスの便も多く、住みやすい地域なのであろう。首都のクアラルンプールより、ペナン島の方が概して涼しいようだ。周囲が海に囲まれているからであろう。

  多民族国家のマレーシアは、全国的にみればマレー系の国民がドミナント勢力で過半数を占めるが、ペナン島にはマレー系やインド系よりも華人系の人口が多いのだ。華人系は日本人とよく似ているので、一見では区別がつかないことが多い。

  ペナン植物園側(ケーブルカーの反対側。ケーブルカーを一部ではロープウエイと言っている場合がある)から登るペナンヒルでは、華人系の人達がエクササイズとして、速足ウォーキングやハイキングをしている光景に接することができる。特に週末に多い。華人系は日本人とよく似ているので親近感が湧く。

  華人系の人たちは、ウォーキングコースの途中途中にボランティアが運営するウォーターポイントと呼ばれる給水場所を設けていて、衛生上の観点から、煮沸して冷ましたお茶や湯冷ましの水を飲ませてくれる。その飲料代金は無料である。しかし、何がしかの心付けを皆が支払っているようだ。小銭が入った広口ビンなどが置かれている。

  また、その給水ポイントが、ハイカー達の談笑の場、つまり、サロンとなっているようだ。華人系は英語教育に熱心なので、大概英語が話せる。日本人の片言の英語でも、快く付き合ってくれるので、楽しい会話ができるだろう。

  タンジュンブンガの朝市は、旅行のガイドブックには殆んど出てこないが、旅行者にも人気のスポットだ。ここでココナツミルクを生で飲めるものと思って買おうとする旅行者が多いのだろう。生で飲んだら、下痢などの食中毒症状を呈することになったであろう。クワバラ クワバラだ。過去にそういう事例が多かったのかも知れない。

  このタンジュンブンガの朝市は、タンジュンブンガ行きのバスの終点を経て、バスが坂を上がって左側の回転する広場に移動した直ぐ先にある。バスのドライバーに市場に行きたい旨を告げて頼めば、バスの回転場所まで乗せてもらえるだろう。

  タンジュンブンガのこの朝市には、マレーシアの庶民の食物が並んでいる。ここでは小規模であるが屋台やフード・コートも併設されている。ここに行けば、その食文化が良く分かる。南国でありながら、屋内で売られているとはいえ、生の魚が氷漬けにもされず、冷蔵庫や冷蔵ケースに入れることもなく、売られているのには驚かされる。

  これと同じような光景は、韓国のソウルの南大門市場や、プサンのチャガルチ市場の付近の炎天下の路上にも繰り広げられており、驚いたことがある。日本では食品衛生法上の規定から保健所の指導が厳しいので、なかなかお目にかかれない光景だ。

  海外旅行では、パックツアーと言われるパッケージ・ツアーでは案内されない、庶民の生活の場に入って、観光してみるのも楽しい。そこでは、色々な民族の生活の態様と文化に触れることができるからだ。

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味噌に梅干にたくあんにラッキョウ

野菜の高騰は、日本だけではないようだ。お隣の韓国でも、白菜が高騰しているという。今夏の猛暑が影響し、白菜の生育が悪い上に、大雨による水害がたたったようだ。収穫が極端に減少しているという。

韓国では、白菜には特別な意味がある。それは、キムチ作りの主原料であるからだ。キムチ作りには、気温が影響するので、漬け込む季節が大事だ。その季節が近づいたが、その原料となる白菜が異常に高騰し、市場では値段が例年の約10倍もしているというのだ。

韓国の市場で、白菜を買い求める長い行列ができている様子がテレビで報じられていた。韓国では国民的食物であるキムチを、一般に各家庭で作る。各家庭には、それぞれキムチ作りのノウハウが伝承され、漬け込むためのダシなどにそれぞれの家庭独自の工夫がなされているという。そして、シーズンになると一斉にキムチ作りが始まるのだ。

そこで、国民の生活費の負担増に配慮した韓国政府が、国費を負担して市場に安い白菜を供給し、これが売り出されたのだという。そして、それを買い求める長い行列ができたという訳だ。

ところで、日本でも国民的な伝統食物である味噌や梅干、ラッキョウ漬、たくあん、白菜の漬物などを作る一斉行事があってもいいと思う。これらの食物作りも材料を仕込む時期が大事なのだ。

これらの伝統食物は、コメを主食にした場合の副食になる。しかし、日本の食生活は、伝統食物から段々遠ざかりつつあるようだ。それは、主食であるコメの消費量が減少していることからも推認できる。

日本政府は、食料自給率を上げると宣言しているが、まずは日本人の食生活を米食がし易いように改善することが先決であろう。

地域のコミュニティー活動などを通して、伝統食物作りの講習会などを活発化させ、米食中心の食生活の復活を模索するなどは、食料自給率の上昇に効果的であろう。健康のために減塩に配慮しながら伝統食物を作る方法を普及させるのだ。

最近の日本の各家庭では、伝統食物を作るノウハウの伝承がなされず、作り方を知らない人が増えているという。日本の伝統食物が食卓から遠ざかっているのだ。しかし、伝統食物を普及させ、それがいつも食卓にあれば、米食が増えることが予想されるのだ。

米食が増加すれば、カロリーベースに換算して計算されている食料自給率も確実にアップすることになるだろう。そして、それはコメ余り現象の改善と、コメにまつわる国費の負担減にも繋がることが期待されるのだ。

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キンモクセイの香りの中で地球温暖化を憂える

朝夕の冷気の中に、キンモクセイの花の香りが漂う季節になった。この花は地味だが、匂いに誘われ近づいてみると、緑濃い照葉の上に金粉を振りまいたように花びらが散らかっている。

近づけば濃厚な匂いだ。しかし、遠くまでそこはかと漂う香りがいい。窓を開けていると、部屋の中までほのかな香りが漂う。季節は確実に移ろいつつある。猛暑日が続いた今年の夏の記憶も遠ざかりつつある。

しかし、電力会社から遅れて請求されてくる電気料金の多寡から、9月に入ってからも続いた猛暑日に、昼夜を分かたずに利用したクーラーの稼働時間を想う。今年の夏は、夜もクーラーを付けっぱなしの日が多かった。

きのうの越谷は最低気温が15.5度、最高気温が25.6度だった。最高気温が25度以上の日を夏日というから、きのうの越谷は夏日だったことになる。だが、朝夕はめっきり涼しくなった。暑くて寝苦しい夜から開放され、睡眠も楽になった。秋の虫の鳴く音も涼やかに聞こえる。

ただ、虫達の奏でる音も、例年より少し静かなように感じる。昆虫の世界にも、今年の猛暑が影響し、生の勢いを減殺(げんさい)させているのだろうか。人間の世界にも熱中症で救急搬送される人が多かった。そこまで至らなくても、暑気(あつけ)のため、夏ばてした人が多かったであろう。

今年、世界各地から報じられた猛暑や洪水の多発は、地球温暖化の影響であると言われている。二酸化炭素などの温室効果ガスの増加の影響が、地球を急速に温暖化させているというのだ。

このまま地球上に二酸化炭素を大量に排出する工場や排気ガスを撒き散らす自動車が増え続け、人口が増え続ければ、近い将来、日本にあってもキンモクセイの香りも、秋の虫の鳴く音も聞けない、荒涼たる地球になってしまうと危惧されるのだ。

世界の大国を巻き込んだ温室効果ガス減少と人口減少へ向けた対策が急務なようだ。キンモクセイのほのかな香りの中で、地球の自然に負荷を掛ける温室効果ガスの増加を憂える。

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中国の横暴と毒餃子事件再来の危険

中国が尖閣諸島を自国の領土であると主張し始めたのは、1968年に国際連合の機関、アジア極東経済委員会が、尖閣諸島周辺にペルシャ湾級の石油・天然ガスがある可能性を指摘した後、1970年代になってからだという。こんな中国の横暴を許してはならない。

尖閣諸島には、過去に日本人が住んでいた事実はあるが、中国人や台湾人が住んでいた事実はない。この土地は、現在、埼玉県在住の個人の所有地となっていて、きちんと土地所有権の登記があるのだ。その上、中国北京市で1960年に発行された地図集には、『魚釣島』、『尖閣群島』と表記され、はっきりと日本の領土として描かれているのだ。

ところが中国は、冒頭に述べたようにこの尖閣諸島に地下資源があることが国連の機関によって指摘されたので、この島嶼を欲しくなったのであろう。1972年に北京市で発行された地図には、この尖閣諸島の島名を中国名にして、『釣魚島』、『赤尾嶼』と表記し始めたというのだ。

しかし、いかに他国の領土が欲しくても、あからさまに強権的手法で言いがかりを付け、他国の領土を奪い取ろうとするのは、言語道断だ。こんな中国とは、今後、円滑な経済取引が期待できるわけがない。日本が現状のままで中国との関係を深めていけば、今後、もっと大きなしっぺ返しに遭遇することになるだろう。

民主党政権が声高に主張する「戦略的互恵関係」など、こんな国家との間で維持できるわけがないであろう。そして、毒餃子事件や農薬入り冷凍インゲン事件の再発が危惧される。

その予兆となる事件が起きた。それは、中国山東省で10月4日午後にサッカーU-19(19歳以下)アジア選手権の日本対UEA(アラブ首長国連邦)戦が行われたが、この試合のグラウンドで試合開始の直前、日本の国歌斉唱の最中に中国人の男がグラウンドに乱入し、日の丸を奪って会場を混乱させたというのだ。

その乱入した男の背中には、尖閣諸島沖での中国漁船衝突事件に対する日本への抗議が書かれていて、その男の行動が多くの中国人観客から拍手喝采を浴びたというのだ。日本の多くのメディアが報じている。

 この男の行動やそれに対する中国人観客の拍手喝采は、報道の自由のない中国で、中国政府発信の一方的報道を信じた中国人の偏狭なナショ、ナリズムが昂じた結果であろう。日本では、この漁船衝突事件について中国政府側が言っている内容も報道されるが、中国では、日本政府がいかに論理的に説明しても、日本側の主張は報道され難いのだ。これは、中国政府が情報をコントロールしているからだ。

 したがって、中国国内にいる中国人は、自分達の意見を日本側の意見と対比して考える情報を与えられていないのである。これによって中国人の偏狭なナショナリズムの高揚が煽られる。しかしこれは、中国政府が目論んでいる、世論を使った日本に向けられた外交戦略である疑いが強いのだ。

 このような中国人の偏狭なナショナリズムの高揚には、日本は今までも翻弄され、大きな被害を受けてきた。日本製品の不買運動事件や毒餃子事件、農薬入り冷凍インゲン事件など全てで、この情報コントロールによる中国国民の歪んだナショナリズムの暴走が濃厚に疑われるのだ。

  中国で中国人が製造に関わり、日本語で表記された容器やパッケージに詰められた餃子や冷凍インゲンは、日本へ輸出されて、日本人が食べることが十分分かっていた。したがって、これらに毒物を仕込めば、日本じゅうで無差別に毒物中毒の被害者が出ることも容易に想像できる。したがって、これらの事件は、日本に向けられた毒物による無差別テロの疑いが濃厚だったのだ。ところが、これらの事件ではそのあたりの解析がなされず、うやむやのまま終息した形になっている。

しかし、先月(2010年9月)、尖閣諸島沖で起きた中国漁船衝突事件によって、中国人の偏狭なナショナリズムが煽られ、再度、日本国内で中国製の毒餃子や毒入り冷凍インゲンなどによる毒物中毒事件が発生すると危惧されるのだ。

その他にも、中国からの輸入食料品には、マラカイトグリーンやエチレングリコール、メラミンなどの毒物が混入していたことが発覚している。また、中国から輸入された幼児用おもちゃや陶器などからも、毒性の強い鉛を使った塗料や顔料などが検出されているのだ。

これらの現状から考えると、中国からの輸入品には今後ますます注意が必要なようだ。特に日常的に家庭の食卓や外食などで食べる中国から輸入された加工食品や冷凍食品には、要注意だ。つまり、日本国内に中国発の毒餃子事件が再来する危険があるということである。

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中国の膨張問題の対処にはイスラエルの外交戦略に倣え

 先月の尖閣諸島沖での海上保安船と中国漁船の衝突事件について、中国政府のリアクションには想像を絶するものがあった。日本は中国に完全になめられ、バカにされているようだ。

 この事件につき、中国は、日本の在中国大使を真夜中に呼び出したり、日本向けのレアアースの禁輸措置を取ったり、訪日旅行の中止を指導したり、また、SMAPの上海公演を無期延期させたり、などなど、お互いに主権がある国家に対する対応とは到底思えない横暴を重ねた。

 日本は、中国にとっての外交のパートナーではなく、隷属する弱小国家と考えられているようだ。中国には、日本も国家主権を持つ国家であるという前提がないようである。尖閣諸島は、日本の固有の領土であり、歴史上も事実上も日本の領土である。中国も、尖閣諸島が日本の領土であると認めていた文書が残されている。

 ところが、中国はこの尖閣諸島を自国の領土であると主張し、その沖合で中国漁船が操業することを日本が妨害するのは、中国の主権の侵害であると難癖を付けているのだ。何ら領土問題などが存在していない尖閣諸島に、いかにも領土問題があるかのように事件を起こし、言いがかりをつけて、落とし前を取る。これはヤクザの手口だ。

 石原慎太郎都知事が中国のやり方はヤクザと同じだという旨の意見をマスコミの前で述べていたが、まさにその通りだと思う。今回の中国の行為は、日本の国家主権に対する重大な侵害である。これを放置したり、うやむやにしたりしてはいけない。きちんと問題の決着を図っておく必要がある。

日本は、今後、中国との関係を見直し、関係の度合いを薄めていかなければ、とんでもないリスクを負うことになるであろう。いわゆるチャイナ・リスクといわれるものだ。経済的な依存関係は、速やかに解消する方向で対処すべきであろう。

 日本は、今まで中国に対し、開発発展のためにODAを提供するなど金銭面でも支援してきた。技術移転やノウハウの提供などでも、積極的に応援してきた。

 しかし、今回の尖閣諸島の中国漁船衝突事件で、今までの日本から中国への支援や応援は、日本のためにはマイナスであったことがはっきりとしてきた。中国は、日本からODAを得ておきながら、日本にはるかに勝る軍事予算を使い、軍備を整えているばかりか、アフリカなどの後進国にODAを提供している事実があるのだ。

 中国の発展と膨張は、中国と国境を接する日本を始め、マレーシアやタイ、フィリピン、インドネシア、ベトナム、インドなどにとって、あきらかなマイナスである。中国は尖閣諸島がある東シナ海ばかりではなく、南シナ海の西沙諸島や南沙諸島などでも、周辺国と領有権をめぐり、争っているのである。一部では軍事衝突まで起きているのだ。

 日本は、この中国の膨張問題を、アジアの周辺国と共に共同戦線を組んで対処しなければ将来に禍根を残すことになるだろう。国益とは、目先の経済的利益だけではない。自国の領土を守ることも大きな国益であり、将来の安心と安全を確保することも大きな国益である。

 菅直人首相が率いる民主党を中心とする与党政権は、日本の経済界が中国との速やかな関係修復を望んでいるからといって、この尖閣諸島の領土保全問題をうやむやにして、臭いものに蓋をするというような、従来の自公政権がとってきたスタンスを踏襲すべきではない。菅政権は、中国に対し、日本の主張を堂々と述べて、問題の決着を図るべきである。

また、今回、中国漁船が海上保安船に故意に衝突してきたというシーンを録画したビデオ映像は日本国民と全世界に公開し、国内世論ばかりではなく、国際世論にも、中国の横暴を訴えるべきである。前原誠司外務大臣と北澤俊美防衛大臣、そして馬淵澄夫国土交通大臣は、三つ巴でこれに対処すべきである。要の仙石由人官房長官にも、明察が求められる。

今回の尖閣諸島の中国漁船衝突事件に関し、アメリカは日本に対し、領土問題にはコミットしないという姿勢を伝えてきた。この事件による中国とのトラブルには、アメリカが関与しないので、日本と中国の間で速やかに解決するようにと求めてきたのだ。

したがって、米国との安全保障条約では、今回のような外国からの日本の領土、領海の侵害には対応できないと考えるべきである。そうであるならば、日本も、中東の先進国、イスラエルの外交戦略のしたたかさに倣い、万全の国防力を整え、中国の膨張に対処すべきであろう。

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日本は中国に対し、毅然とした態度を示すべきだ!

中国と日本は、今後うまく付き合っていけるのだろうか。尖閣諸島に中国は領有権を主張し出している。中国は、尖閣諸島付近の日本の領海内で、日本の海上保安船に故意に衝突してきた中国漁船の衝突事件で、海上保安庁が中国漁船の船長を公務執行妨害罪で逮捕送検し、那覇地検が勾留していた件につき、日本に不当な要求を突きつけてきた。その上、日本に対し、レアアースの輸出停止や訪日旅行客の旅行取り止めや、SMAPの上海公演の延期を強いるなどの考えられない暴挙が続いた。

尖閣諸島は、埼玉県在住の個人の所有地となっていて、きちんと不動産登記がある。ここは、もともと日本の領土であり、日本人が住んでいた事実もあり、過去に領土問題となったことがない。この日本の領土に、ゴリ押しして自国の領土だと主張する中国とは、一体どんな国家なのであろうか。

中国の言い分は、尖閣諸島は台湾の領土であり、台湾は中国の領土であるから、尖閣諸島は中国の領土であり、その周辺の海域は中国の領海である、という論法のようだ。しかし、台湾は、過去に明確に尖閣諸島が日本の領土であることを認めている事実があり、その証拠となる資料が存在しているのだ。そして、中華人民共和国と言われる中国も、過去に尖閣諸島は日本の領土であると認めている文書もあるのだ。

かつて、アメリカのブッシュ大統領が、北朝鮮やイラクなどをならずもの国家と呼んだが、日本にとって中国は、まさにこのならず者国家であると言えるであろう。東京都知事の石原慎太郎氏が、中国はヤクザと同じであるという旨の意見を述べていたが、まさに同感である。

何の問題も起きていない土地にいちゃもんを付けて、さも問題があるように装い、言いがかりを付けて落とし前をとり、利益を上げる。これはヤクザが良く使うやり口である。中国は、尖閣諸島がある東シナ海ばかりではなく、南シナ海の南沙諸島や西沙諸島でも、インドネシアやフィリピン、ベトナム、マレーシアなどと領有権を巡って争っている。一部では軍事衝突まで起きているのが現状だ。

今後、日本が中国との活発な経済取引を当て込んで、中国元を貯め込んでも、いずれ中国元という貨幣が使えない事態が生じるのではないかとの懸念を抱かざるを得ない。中国が如何に発展しても、日本や周辺国家は豊かにはならないのではないか。むしろ、日本や周辺国の経済成長の妨げになり、将来に渡って安全と安定が脅かされ続けるのではないかと危惧されるのだ。

また、中国人のナショナリズムの暴走により、再び、日本向け輸出用の食料品に毒物や劇物が仕組まれ、無差別に日本人の健康被害が発生することが懸念される。いわゆる日本に向けられた毒物による無差別テロだ。中国から輸入された毒餃子や農薬入り冷凍インゲンを食べた日本人が、各地で食中毒症状を呈した事件は、記憶に新しい。

世界の資源を食いつくし、環境汚染物質を自然界に垂れ流して、自国の権益の拡大と成長のみに汲々とし、周辺の国家や民族に多大な負担と忍従を強いて、何ら反省するところがない。こんな国家が将来にわたって膨張を続ければ、地球上に回復不能な多大な負担を掛けることになるだろう。

日本は今のうちに、この国との関係を見直し、周辺国家と共に、対策を講ずるべきであろう。手遅れにならないうちに、早急に対処すべき問題である。これには、日本の安全保障と周辺国の安全保障がかかっている。日本はアジアの先進国としてリーダーシップを発揮し、中国と日本の関係ばかりではなく、中国とその周辺の国家との間の問題も真正面から捉え、アジアの発展と平和に貢献すべきであろう。

これにはまず、日本は、独自の国防に万全を期すべきであり、周辺国を含む揺ぎ無い安全保障対策を採ることが肝要であろう。日本政府は、中国に対し、きちんと正論を主張し、毅然とした態度を示すべきである。尖閣諸島に領土問題として言いがかりを付けられた以上、うやむやにすべきではない。

海保の艦船に中国漁船が故意に衝突してきたシーンを録画したビデオは、日本国民と全世界に速やかに開示すべきである。そして民主党を中心とする政権は、与野党合同で、この問題に対処する方策を講じるべきである。この問題には、日本のみならず、中国の周辺国家の将来の安心と安定が懸かっているのだ。

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朝市の長い行列

海外旅行に出かけると、好奇心の旺盛さから何でも見てやろうという気持ちが湧く。マレーシアはペナン島のタンジュンブンガの朝市でのことであった。マーケットの一角に鍋やタッパなどの器を携えた人の長い行列ができていた。

見ると牛乳を濃くしたような乳白色の液体を売っていた。計量舛で計りながら売っているのだ。中には器を持たない人もいて、ビニールの小袋にその液体を入れてもらって買っている。

 人の行列の長さから見ると人気の食品なのであろう。乳白色の液体は美味そうに見えた。何を売っているのか並んでいる人に尋ねてみた。すると、ココナッツミルクを売っているのだという。

 ココナッツミルクとはどんな味がするのだろう。飲んでみたくなった。そこでその行列の最後尾に並んだ。時間が経過し、段々売り場に近づき、もう直ぐ順番が回ってくるところで店員から英語で声を掛けられた。このココナッツミルクは、生では食べられない。加熱調理用のものだが、それでも買うか、ということであった。

 唖然として、生では飲めないのかと再確認し、それなら要らないと断って、皆の同情の眼差しを浴びながら列を離れた。列には地元のロングステイヤーも沢山並んでいたことであろう。日本人もいたはずだ。

このタンジュンブンガ付近には、ロングステイヤーが数多く滞在する日本のマンション風のコンドミニアムが多い。ロングステイするには、ジョージタウンの中心部や、バタワースへのフェリー乗り場ジェッティーからのエアコン付きのバスの便も多く、住みやすい地域なのであろう。首都のクアラルンプールより、ペナン島の方が概して涼しいようだ。周囲が海に囲まれているからであろう。

多民族国家のマレーシアは、全国的にみればマレー系の国民がドミナント勢力で過半数を占めるが、ペナン島にはマレー系やインド系よりも華人系の人口が多いのだ。華人系は日本人とよく似ているので、一見では区別がつかないことが多い。

ペナン熱帯植物園側から登るペナンヒルでは、華人系がエクスサイズとして、ハイキングしている光景に接することができる。日本人とよく似ているので親近感が湧く。華人系は英語教育に熱心なので、大概英語が話せる。片言の英語でも楽しい会話ができるだろう。

 タンジュンブンガの朝市は旅行者にも人気のスポットだ。ここでココナツミルクを生で飲めるものと思って買おうとする旅行者が多いのだろう。生で飲んだら、下痢などの食中毒症状を呈することになったであろう。クワバラ クワバラだ。過去にそういう事例が多かったのかも知れない。

 このタンジュンブンガの朝市は、タンジュンブンガ行きのバスの終点を経て、バスが坂を上がって左側の回転する広場に移動した直ぐ先にある。バスのドライバーに市場に行きたい旨を告げて頼めば、バスの回転場所まで乗せてもらえるだろう。

 市場には、その国の庶民の食物が並んでいる。ここではフード・コートも併設されている。ここに行けば、その食文化が良く分かる。南国でありながら、屋内で売られているとはいえ、生の魚が氷漬けにもされず、冷蔵庫や冷蔵ケースに入れることもなく、売られているのには驚かされる。これと同じような光景は、韓国のソウルの南大門市場や、プサンのチャガルチ市場の付近の炎天下の路上にも繰り広げられており、驚いたことがある。

海外旅行では、パックツアーと言われるパッケージ・ツアーでは案内されない、庶民の生活の場に入って、観光してみるのも楽しい。そこでは、色々な民族の生活の態様と文化に触れることができるからだ。

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