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味噌に梅干にたくあんにラッキョウ

野菜の高騰は、日本だけではないようだ。お隣の韓国でも、白菜が高騰しているという。今夏の猛暑が影響し、白菜の生育が悪い上に、大雨による水害がたたったようだ。収穫が極端に減少しているという。

韓国では、白菜には特別な意味がある。それは、キムチ作りの主原料であるからだ。キムチ作りには、気温が影響するので、漬け込む季節が大事だ。その季節が近づいたが、その原料となる白菜が異常に高騰し、市場では値段が例年の約10倍もしているというのだ。

韓国の市場で、白菜を買い求める長い行列ができている様子がテレビで報じられていた。韓国では国民的食物であるキムチを、一般に各家庭で作る。各家庭には、それぞれキムチ作りのノウハウが伝承され、漬け込むためのダシなどにそれぞれの家庭独自の工夫がなされているという。そして、シーズンになると一斉にキムチ作りが始まるのだ。

そこで、国民の生活費の負担増に配慮した韓国政府が、国費を負担して市場に安い白菜を供給し、これが売り出されたのだという。そして、それを買い求める長い行列ができたという訳だ。

ところで、日本でも国民的な伝統食物である味噌や梅干、ラッキョウ漬、たくあん、白菜の漬物などを作る一斉行事があってもいいと思う。これらの食物作りも材料を仕込む時期が大事なのだ。

これらの伝統食物は、コメを主食にした場合の副食になる。しかし、日本の食生活は、伝統食物から段々遠ざかりつつあるようだ。それは、主食であるコメの消費量が減少していることからも推認できる。

日本政府は、食料自給率を上げると宣言しているが、まずは日本人の食生活を米食がし易いように改善することが先決であろう。

地域のコミュニティー活動などを通して、伝統食物作りの講習会などを活発化させ、米食中心の食生活の復活を模索するなどは、食料自給率の上昇に効果的であろう。健康のために減塩に配慮しながら伝統食物を作る方法を普及させるのだ。

最近の日本の各家庭では、伝統食物を作るノウハウの伝承がなされず、作り方を知らない人が増えているという。日本の伝統食物が食卓から遠ざかっているのだ。しかし、伝統食物を普及させ、それがいつも食卓にあれば、米食が増えることが予想されるのだ。

米食が増加すれば、カロリーベースに換算して計算されている食料自給率も確実にアップすることになるだろう。そして、それはコメ余り現象の改善と、コメにまつわる国費の負担減にも繋がることが期待されるのだ。

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