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早晩、菅政権は退陣?

今の菅直人首相が率いる政権は、日本を滅ぼそうとしているのだろうか。日本の領海から境界線をなくし、日本の国家としての枠組みである社会的、経済的基盤の境界をも、海外との間で溶解させようとしているように思える。国家が他国との境界をなくして、国家主権を守れるはずがない。

アメリカや中国が、関税の撤廃を求めるのは、自国の利益のためだ。保護貿易を止めようと主張している国々は、対外的には、キャッチコピーとしてそう主張していながら、国内的には自国の利益のために国内産業を手厚く保護しているのが実態だ。これは、アメリカでも、中国でも、韓国などでも同じだ。

ところが、菅首相は、丸腰で無防備に見えるほどTPPを声高に主張し、日本を開くといっている。しかし、天然資源が乏しく、食料自給率がカロリーベースで約40%しかなく、他の食料を海外に依存している日本が、関税を撤廃したならば農業どころか、全ての産業に類が及ぶであろう。そして、日本の内需は、めちゃめちゃになる。菅政権は、こんな自明のことが読めないのだろうか。農林水産業や商工業を含め、それに従事する個人や零細な事業者などが、大きな打撃を受けてしまうだろう。特に農林水産業は、壊滅的打撃を受けるだろう。

農林水産業には、個別的に手当てすればいいだろうなどと言うのは、絵に描いた餅だ。日本の農山村や漁村を訪ねてみれば分かるが、いたるところで経済格差が広がり、疲弊している。ここにじゃぶじゃぶと海外から安い農産物や海産品が供給されたとしたら、日本を支えてきた各地の集落が崩壊してしまうだろう。

今まで、日本がいくら性能のいい自動車や便利な電気製品を大量に製造して、輸出したとしても、日本が豊かにはなれないことは、これまでの歴史が物語っている。それは、世界の天然資源を食いつぶし、地球の環境に大きな負荷をかけることを加速させる結果を招いているのだ。日本のこれからの輸出も、いずれ発展途上にある国々に追いつかれ、追い抜かれていくであろう。つまり、この先、日本は、いかに優れた工業製品の輸出を伸ばしたとしても、豊かにはなれないということだ。

そうであれば、日本は国家として、自国の繁栄と安定に心を砕くべきだ。まさに政府は、このことを目標に頑張らねばならないだろう。今の日本は、内需拡大にエネルギーを注いで、好循環の景気循環を図るべきなのだ。その中で、雇用が生まれ、働く者に賃金が支払われれば、それが消費活動に回る、というように国家の経済活動を内需型にしていくべきだ。この努力なくして、日本の経済再生の道はないであろう。

ところが、菅政権では、中国や米国のシンジケートなどのコネクションから、席巻されてしまっているのだろうか。また、日本の経済界の圧力に屈してしまっているのだろうか。彼らに都合のいい政策を押し付けられ、飲み込まされているように感じるのだ。ニュースによると、来月、ノルウェーのオスロで行われる中国の人権活動家、劉暁波氏のノーベル平和賞授賞式には、アメリカやヨーロッパの各国は参加を予定しているが、日本は参加を表明していないようだ。中国からの圧力であるという。日本の外交に主体性が感じられない。

そして、今の日本の政治には国家としての堅固な屋台骨も見えない。日本の財界や経済界は、中国とは穏便に付き合い、輸出入を円滑に行うことを求めるのは当然であるとしても、国家の政治は、国家の主権の確保と安泰を大前提として動かすべきだ。最低でも、国家の存立の基礎をなす領土、領海、領空、そして経済水域は守らねばならない。これらとの引き換えに、貿易を拡大させるなどの愚かしい真似は、絶対にしてはならないことだ。

ところが、民主党を中心とする菅政権は、尖閣諸島問題で中国にへりくだり、うやむやにしてしまっている。尖閣ビデオも国民に公開しないままだ。海上保安庁の巡視船は、日本の領海を守るべく、危険を冒しながら沿岸警備にあたっているのだ。その海上保安庁が中国漁船から体当たりされている映像は、すぐに全容を国民に公開して、世論の傾向をさぐるべきだ。

今、東シナ海の日本のEEZライン付近では、中国が天然ガス田を掘削し、日本の抗議を無視して、採掘し続けている。日本か共同開発を提案し、条約締結を働きかけているが、中国はこれを無視しているのだ。このガス田問題でも、日本は中国にし放題のやられっ放しである。

菅政権では、日本の国境線すら守れないのではないかと危惧される。そして、菅首相は、TPP推進で日本を開くと言って、輸出入貿易においても、自国の主権が守れなくなる恐れのある言動を平然と行っている。これは、先の参議院選挙中に消費税10%発言をして、世論の反感を招いた時のように、軽率のそしりを免れられないだろう。

菅内閣総理大臣が率いる今の民主党を中心とする政権では、日本の行く末が心配である。最近の各メディアの世論調査の結果によると、菅内閣支持率が急落している。これは当然の結果であろう。早晩、菅政権は、国政の舞台から、退陣を迫られるであろう。

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タイ北部、チェンマイを中心とするフェイク話の詐欺に注意!

外務省の海外安全ホームページの渡航情報,には、危険情報というものもある。海外安全ホームページのトップ画面の左側の目次からも閲覧できる。例えば、次のURLのページである。タイの北部、チェンマイ県などにおける偽装NPO法人による詐欺事案などの注意事項なども記載されている。

RL:http://www2.anzen.mofa.go.jp/info/pcinfectionspothazardinfo.asp?id=007#header

それによると、タイ北部においては、「2009年以降、タイで活動する日本のNPO法人を名 乗るグループが、異なるNPO法人名等を使って、日本の健康食品取扱業者や介護用品取扱業者などに対し商品の契約を持ちかけ、契約に必要な諸費用(契約書作成費用、印紙代等)と偽って代金を事前請求するといった詐欺(既・未遂)事案がたびたび発生」していることなどを述べて、詐欺被害に遭わないように注意喚起しているのだ。この事案は、フェイク話による商取引偽装詐欺だ。

外務省が、海外渡航情報で、こんな注意喚起をあえて発表しなければならないほど、このフェイクによる詐欺被害が広がっていることを想像させる。内容によれば、タイ北部の都市、チェンマイの有名ホテルのロビーなどに商取引を希望する相手を誘い出し、商取引を装い、金銭を騙し取っているという。そして、金銭を受領した後は、連絡ができない状態にして逃げているというのだ。このような被害が、頻発しているのだろう。

その注意喚起では、「つきましては、上記状況にかんがみ、タイから電話や電子メールにより 取扱商品の契約等を持ちかけられた場合は、以下の事項に留意しつつ詐欺被害に遭わないよう注意してください。また、万一被害に遭った場合には、早急に警察に被害届を提出するようお勧めします。」とある。

最近、日本では、詐欺などによる被害が発生した場合には、海外事犯でも、日本の国内法で摘発したり、日本の法廷で損害賠償請求訴訟が確定したりしているのだ。フィリピンの投資詐欺の事案では、日本の国内法で判決が確定している。

海外で犯罪被害に遭った場合には、泣き寝入りしないで、海外の在現地国日本国大使館や日本国領事館などに被害を届け出て、相談することが必要だ。そして、日本に帰ってきてしまった場合には、外務省領事局海外邦人安全課や都道府県警察本部の外事課などに届け出て、相談することをお勧めする。

そこで泣き寝入りしてしまえば、犯罪者をのさばらせることになる。それでは、次に被害に遭う人を救えないのだ。それがたとえ、フェイクによるグレーゾーンの詐欺的な手口に思われても、担当部署に届け出て相談してみることが必要なのだ。犯罪被害には、的確に対処することが必要なのだ。

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フェイクに注意! (その3)

フェイクに注意! (その3)

 ミャンマーと言えば、昔はビルマと呼ばれていた。映画にもなった横山道雄著作の『ビルマの竪琴』でお馴染みの国だ。今、このミャンマーが政情不安と治安悪化で揺れ動いていることが最新のニュースで伝わってくる。少数民族カレン族など2万人近くが避難民となり、モエイ川を越え、タイ側に流入しているというのだ。この地はメーソートというタイ北部の町で、チェンマイからは南方約200キロにある。

 ところで、チェンマイにステイしていたとき、チェンラーイからメーサーイ、ゴールデン・トライアングルと旅行して、その横文字が看板としてぶら下がっている撮影のポイントで数枚の写真を撮った。それを眺めるたびに思い出す。そこからメコン河を眺めたとき、この地の悠久の歴史と民族の興亡に思いを致した。

 タイ側の国境の町メーサーイから、ミャンマー側の国境の町タチレイの間には、国境に架かる小さな橋がある。歩いて渡れるのだ。ここを訪ねたときは、パッケージツアーで行ったチェンマイからの航空機延長でのオプショナル・ツアーだった。ツアー会社の現地ガイドに申し込み、連れ合いと2人だけの参加であったが、5人乗りセダンタイプの小型乗用車に揺られながら長距離をドライブしたのだ。現地ガイドが運転手も努めた。

 タイからのミャンマー入国を楽しみにしていたので、パスポートにタイ出国とミャンマー入国の出入国の記録のスタンプを押されるのを楽しみにしていた。タチレイでは、サムローに乗って、立派な寺院を訪ね、そこの立派な仏像の下で記念写真をたくさん撮った。

ところで、ここでは花売りをしていた子供達数人に囲まれ、危うくウエスト・ポーチの財物を奪われそうになった。親が近くで子供たちに指示しているような気配があった。しおれた花束を持った子供たちが間違って観光客を押したように装い、別の幼児数人が大人の前にはだしの素足を突き出す。押された勢いで観光客は避けきれずに、いたいけない子供のどれかの柔らかい足をグニューッと踏んでしまう(子供は痛いだろう)。そして、びっくりして詫びる。そして、注意が散漫になった隙に、別の年長の子供がウエスト・ポーチのファスナーを開けて、中の財物を奪うという寸法である。どうやら、子供達の花売りは、最初から集団スリのためのフェイクであったようだ。

 ところが幸いなことに、当方はそういうこともあるだろうと考えて、ファスナーの引き手には細いロープをかけて結んでおいたのだ。その後、すぐにウエスト・ポーチを点検してみたところ、これが無理に開けられたように少し開いて歪んでいたのだ。物は盗られていなかった。クワバラ、クワバラであった。世界には、ケッチャプ振り掛けフェイクや小銭ばら撒きフェイクなど使った、巧妙なスリ集団や置き引き集団が多いのだ。詳しくは、海外安全ホームページの海外邦人事件簿で。URL:http://www.anzen.mofa.go.jp/jikenbo/jikenbo59.html

 

  なお、外務省の海外安全ホームページのトップは次のURLである。そのトップ画面の左側にある目次の項目になかなかためになる情報があるので、こちらも検索してみることをお薦めする。URL:http://www.anzen.mofa.go.jp/

先の話に戻る。ミャンマー側からの帰りに、タイの国境を通過して暫くしてから、現地ガイドからパスポートを返してもらった。ところがそのパスポートを後で点検してみると、出入国のスタンプは、そのどちら側の国の分も押してなかったのだ。ガイドには、ミャンマーの入国手数料やパスポートのコピー代などを払っていたのにである。つまり、出入国スタンプは、タイの出入国とミャンマーの入出国の4個が抜け落ちていたのだ。2人分の合計では、8個のスタンプが押されていなかったのだ。

 そういえば、そのガイドは何やらイミグレーションの係官とは親しい関係にあるのか、タイ側でもミャンマー側でも、イミグレーション・オフィスに入ってから暫く出てこなかった。賄賂でも使って出入国手数料を山分けでもしたのであろうか。こんなことができる国情なのであろう、とそのとき思った。これもフェイクだ。でも、何たるフェイクだろうか。

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フェイクに注意! (その2)

フェイクに注意! (その2)

タイでは、外国人個人が、土地付き建物の不動産の所有者となることは、原則として認めていない。例外としては、集合住宅としてのコンドミニアムなどでは、全体の49%の持分までは外国人が所有し、その所有権登記をすることを認めている。

ところが、この原則として土地付き建物の所有権を外国人に認めていない不動産所有権を、いかにも取得できるかのように装い、金を出させる騙しの構図、つまりフェイクがあるのだ。

それは、タイでは外国人には土地付き建物の所有権を認めていないから、タイ人に所有者になってもらい、それを利用するというものだ。タイでは不動産が安いから、少しの出資で不動産の所有者と実質的に同じように利用できるようになると勧める。そして、不動産取得のための売買代金、手数料等を払えば、実質的に所有者と同じになるから、そうしなさいと勧めるものである。

しかし、この不動産取引が成立し、所有者をタイ人に仮装した場合、登記上の所有者となったタイ人と売買代金等を支払った利用者の関係はどうなるのであろうか。土地付き建物については、不動産の登記名義人との間の賃貸借か使用貸借になるのであろうが、これでは不動産の売買代金等を支払った利用者の立場は、著しく脆弱となる。

例えば、仮装して所有者となったタイ人が、その不動産を勝手に他人に売却してしまったら、その不動産の利用者は、何ら権利を主張できなくなる恐れがあるのだ。そして、所有者を仮装させたことから、このタイ人の行為は不法行為であるとは主張しにくい。つまり、法的救済を求められない恐れがあるのだ。

ここんなフェイクの口車には乗せられないように注意しなければならない。そして、犯罪行為の加担者とみなされないように注意する必要があるのだ。これには、日本でも「通謀虚偽表示」や「不法原因給付」、「公正証書原本不実記載罪」などの難しい法律理論が考えられるが、タイでも同じだ。しかし、それはさて置く。

また、コンドミニアムを購入したり、賃借したりする場合にも、周りの不動産相場や隣室の賃貸料などを調査し、管理費等の経費負担も比較しながら、ぼったくりに合わないように注意する必要があるのだ。特に賃借の場合には、「フェイクに注意!(その1)」で述べたファスィリティーが十分に備えられているかどうかを確認する必要があるだろう。そして、タイでは、不動産仲介手数料は、購入者側や借りる側には支払う必要がないことも知っておこう。

コンドミニアムにもいろいろあり、スーツケース1つで通常のホテル利用と変わらないスタイルで利用できて、引き払うときも簡単なものがある。これは欧米人などが、よく好んで利用するコンドミニアムのタイプだ。もちろんホテル宿泊に比べ、料金が安いのである。

なお、賃貸ルームを借り受ける場合には、外国人に対する制限は特になく、一般的には賃貸借契約時にビザ(査証)の有無が問われることはない。つまり、通常はビザ無しでも、住宅やコンドミニアムなどを長期間に渡り、借りられるということである。

因みに、タイの不動産事情については、次のURLのサイトが参考になるだろう。

http://www.interq.or.jp/tokyo/ystation/thai2.html

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フェイクに注意! (その1)

 フェイクに注意! (その1)

 日本における英語の学習ではあまり登場しない英単語に、海外ではよく使われる単語がある。そして、英和辞典に当たると、そこに載っている英単語の意味からは、その的確な意味が抽出しにくい単語があるのだ。

ホテルやB&Bやドミトリーまで宿泊場所全般を表すアコモデイション(accommodation)や、部屋に備えられたエアコンや扇風機、冷蔵庫、湯沸しポット、そしてヘヤー・ドライヤーなどまでの設備を含めて総称的に表すファスィリティ(facility)、ホテルやB&Bなどのアコモデイションの利用可能な空室を意味するベイカンスィー(vacancy)、「利用可能な」を表すアヴェイラブル(available)、その反対の意味の「利用不可能な」を表すアン・アヴェイラブル(unavailable)も、英和辞典で英単語の意味を調べるという方法では、一般に使われている意味は、抽出しにくい。ただし、海外旅行や海外ロングステイを趣味とする人には一般におなじみの言葉であり、説明するほどのことではないかも知れない。

 ところで、フェイク(fake)という単語であるが、これは日本ではイソップ物語の原文でも読まない限り、アルファベットで4文字でありながら、あまり馴染みがない(英語に詳しい人には、知悉された単語であり、ご免なさい)が、海外ではよく使われる言葉なのだ。英和辞典に当たると、その意味は、「でっちあげる」や「捏造する」、「・・・のふりをする」「・・・を装う」などと出てくる。つまり、「だます」ことに関して表現される単語なのだ。

 このフェイク”fake”が、タイで作成された英文の文書に頻繁に出てくるのに驚いたことがある。この文書を持参していた本人は、これは契約書(contract)であると言ったが、内容をよくみると、日本で言えば「念書」である。法律の素人が作ったような内容で、ほとんどが持参者の義務として書かれていた。それは、東南アジアなどで今はやりの、ダマシの仕掛けである国際金融証券の話である。この国際金融証券が現金化された場合には、その報酬として一定の割合の金員を支払うという内容であるが、国際金融証券が現金化されなかった場合には、高額な違約損害金を支払う、という義務が延々と書かれていたのだ。

 ここにフェイクという単語がたびたび登場していた。国際金融証券がフェイクだったら、現金化されるという話がフェイクだったら、違約損害金を支払うということがフェイクだったら・・・と続いていたのである。その文書の持参者は、タイのロングステイから帰ってきたばかりの人だった。そして、恐ろしいことに、その文書には、その持参者のサインがあったのである。

東南アジアなどで今はやりの、国際金融証券やある国の国債証券などの話は、大方、フェイクであるので注意しよう。そんなに利益の出るうまい話があったら、他人を介在させないで自分で利益を得ようとするのが、ビジネスの世界だ。フェイクに注意! これは日本国内でも同様だ。

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ラブ・コネクションで「運び屋」に

恋愛感情を利用して女性を「運び屋」にすることを、「ラブ・コネクション」というそうだ。そうであれば、その反対に、男性を「運び屋」とする「ラブ・コネクション」も成り立つであろう。

 それはともかくとして、今日(112日)、WEBサイトにこの「ラブ・コネクション」のニュースが飛び交っているのだ。キーワードを「71歳女 覚せい剤」として検索できる。また、日刊スポーツのWEBサイトにもUPされている。

この事件は、71歳の日本人の女が、37歳のナイジェリア人の男に求婚され、エジプトで頼まれ、大量の覚せい剤が仕込まれたスーツケースを日本に運び込んだというものである。2人はエジプトで落ち合って旅行し、「スーツケースを取り換えて」と男に頼まれた女が1人で、男のスーツケースを持ってエジプトからカタール、ドーハを経由して、10月8日に関西空港に着いたという。

 そして、関西空港では、二重底のスーツケースに隠されていた3.9キロもの覚せい剤(末端価格3億5240万円相当)がエックス線検査で発覚し、女が覚せい剤取締法違反(営利目的密輸)の容疑で逮捕され、現在では既に起訴されたようだ。

 「恋は曲者(くせもの)」という成句がある。71歳の女は、年齢が34歳も離れた37歳の男の恋のとりこになってしまったのだろうか。それにしても、彼女は日本で逮捕されたのがラッキーだったともいえる。

これがもし、イスラム教国のエジプトや経由地のカタールやドーハなどで捕まっていたら、重大犯罪の容疑者として、もっと大変な目に遭っていたかも知れないのだ。イスラム教は、麻薬などの違法薬物の流通に加担したものには厳しい戒律をもって臨んでいるから、これらの国々では刑罰が厳しい。

東南アジアの国々でも、麻薬密輸などの違法薬物の使用や所持、流通に加担した者には、死刑を含む厳罰を持って臨んでいるところが多い。東アジアの中国では今年、麻薬や覚せい剤などの密輸の罪で日本人4人に死刑が執行されているのだ。

 ところで、外務省の海外安全ホームページにも、この事件と同根の邦人女性の犯罪被害の実例がUPされている。「海外邦人事件簿」のVol.27の記事だ。タイトルは、「熱烈プロポーズにほだされて?」だ。

 この海外邦人事件簿は、邦人が海外で遭遇する事件や事故の実録簿だ。海外旅行や海外ロングステイに出かける場合は、事前に読んでおくと、事件や事故に遭わないための注意点がよく分かる。

ここに代表的事例を挙げる。よく読んで犯罪や事故の被害者となららいための心得としたい。

Vol.38  あのとき、もっと用心していれば・・・

    Vol.53  日本語で話しかけられたら要注意

    Vol.39  凶悪化するいかさま賭博の手口

    Vol.27  熱烈プロポーズにほだされて?

    Vol.58  「慎重さ」が救う女性の危機

    Vol.56  体力の過信が招く中高年の災難

    Vol.57  強盗に豹変するタクシードライバー

   ここに挙げられている事例は、ドキュメンタリーのノンフィクションであるから、第三者的には、読んでみて面白い。そして、大変ためになる。しかし、当事者になったら大変だ。

   この事件簿には、現在、Vol.62までがUPされている。そのほかの事例は、目次の「海外邦人事件簿一覧」から当たってみることをお薦めする。

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ロングステイのビザ申請は本人申請で行った方が良い (その2)

マレーシアの超長期のロングステイのビザであるMM2Hの取得を希望するなら、その申請に必要な、ご本人の財務状況などの条件は次のURLのHPに出ているので、検討されることをお薦めする。

財務条件のURL:http://www.mm2h.gov.my/japanese/conditions.php

その上で、その申請が認められるためには、健康であることの証明として現地医療機関での健康診断を受け、その健康診断証明書を添付することが求められていることを認識しておく必要があるのだ。健康であることの健康診断の証明書が必要なのは、超長期のロングステイヤーが健康でなければ、マレーシア国内に病人が増えてしまい、医療機関に過分な負担を強いることが懸念されるからだ。

そこには、ロングステイヤーが金にものを言わせて、医療機関に負担をかけ、現地の国民の医療を劣化させてしまうことが危惧されているのだ。人は、加齢により、病気に罹患する確率や怪我する確率が高まる。現在は、健康でもこの先、数年後にはどうなるか分からないのだ。そして、健康状態などにより、途中でビザの更新が拒否される恐れもあるのだ。

現地の実地検分は、MM2Hの申請を準備しながら、また、申請書を提出した後、その結果を待ちながら、現地の住居としてどのような地域や態様が良いのかを、格安なホテルなどにロングステイしながら、冷静な目で検討してみるのがよいだろう。そして、現地の下見は、ロングステイを勧める業者や団体から完全に離れて、ご自身で、できるだけ客観的な目で行って見る必要があるのだ。

下見ツアーを催行する業者やロングステイを勧める団体などの下見ツアーに参加しただけでは、ロングステイが素晴らしいという概念だけが植えつけられることが懸念されるのだ。それは、それらの下見ツアーは、本人のロングステイへのモチベーションを高めることだけを目的としている恐れがあるからだ。

このような下見だけでは、現地の気候風土や社会や文化の実態が見えないままで、超長期のロングステイに突入してしまう恐れがあるのだ。これではロングステイを始めた場合に、ご自身が、カルチャーショックの激震に遭遇するなどして、うつ状態を伴った適応障害にまで発展する恐れが出てくる。

そうならないためには、MM2Hの申請をするには、自分でそれに挑戦し、いつでも撤退できる足場を確保しながら、冷静な目で現地状況を視察してみることが必要なのだ。このご自身の独立した実地検分としては、バックパッカー的なスタイルでするのが良いだろう。バックパッカーのスタイルを知るには、ネット検索でキーワードを「バックパッカー 格安旅行費用」などとして検索してみるとよいだろう。

もし、申請にアドバイスや補助者が必要であると考えるならば、現地のローファーム(弁護士事務所)などで弁護士などの専門家に、費用を確認しながら相談してみると良いだろう。この方が費用もかからず、安心な場合が多いのだ。また、英文文書の翻訳なら日本でも、格安に依頼できる翻訳業者もいるのだ。

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ロングステイのビザ申請は本人申請で行った方が良い (その1)

マレーシアに観光目的でロングステイを希望する場合には、1年の内の約180日を実質的にビザ(入国査証)無しで滞在する方法と、超長期ロングステイのビザであるMM2Hを取得する方法があることを、別のブログで述べた。

ここでは、このMM2Hのビザ申請を希望する場合には、エージェント(申請代行業者)を使わずに、本人申請で行った方が良いということを述べる。なぜならば、MM2Hの取得申請では、本人の所得や一定の財務内容の開示を要求されることになっているからだ。

マレーシア政府は、MM2H取得の条件として、希望者にマレーシア滞在中の年間所得(年金所得を含む)の開示やマレーシア国内への一定の金額の積立金を要求し、その証明書の提出を要求している。その上、健康であることの証明として所定の健康診断書の提出も要求しているのだ。

ところがMM2Hの申請を、万一、エージェントに依頼し、本人の所得や財産状況をエージェントに明示した場合には、猫の前にカツブシを積み上げたように、本人の所得や手持ち資金がエージェントの前に積み上げられてしまい、本人がMM2H申請から撤退しようとしても、なかなか撤退できなくなる恐れがあるのだ。

それは、エージェントが、何とか申請者の所得や資金に自己の利益を結び付けようと必死になる恐れがあるからだ。そこでは鵜の目鷹の目で財産が狙われてしまう恐れがあるのだ。日本での高齢者を狙った詐欺や、強引で執拗な物品販売などを考えてもらいたい。

そして、エージェントの中には、MM2Hの申請依頼を受理しておきながら、その上、保証金や手数料の名目で多額の現金を受領しておきながら、1年も2年も結論が出ないままで申請者をひっぱり、最後には申請が移民局において不受理であったなどと、無責任な態度をとる悪徳業者が多かったのだ。この様相は、今も変わらない。

そうならないためには、ご自分で本人申請としてMM2Hの取得を試みてみる方が良いだろう。これにより、そのような危険性は排除できる。そして、本人申請では、申請代行費用もかからないため、経済的でもある。そうすることによって、ロングステイからいつでも撤退できる足場を確保しながら、冷静な目で現地の気候風土や社会や文化の状況を実地に検分してみることが必要なのだ。

そして、その申請を試みながら、マレーシア国内で滞在しようとしている地域に、ご自分が適応できるかどうかを調べてみるのである。2009年1月から、MM2Hの取得は、エージェントを通さずに、本人申請でできることになった。次のURLにそれが出ている。

MM2H申請のURL:http://www.mm2h.gov.my/japanese/announcement.php

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