フェイクに注意! (その1)
フェイクに注意! (その1)
日本における英語の学習ではあまり登場しない英単語に、海外ではよく使われる単語がある。そして、英和辞典に当たると、そこに載っている英単語の意味からは、その的確な意味が抽出しにくい単語があるのだ。
ホテルやB&Bやドミトリーまで宿泊場所全般を表すアコモデイション(accommodation)や、部屋に備えられたエアコンや扇風機、冷蔵庫、湯沸しポット、そしてヘヤー・ドライヤーなどまでの設備を含めて総称的に表すファスィリティ(facility)、ホテルやB&Bなどのアコモデイションの利用可能な空室を意味するベイカンスィー(vacancy)、「利用可能な」を表すアヴェイラブル(available)、その反対の意味の「利用不可能な」を表すアン・アヴェイラブル(unavailable)も、英和辞典で英単語の意味を調べるという方法では、一般に使われている意味は、抽出しにくい。ただし、海外旅行や海外ロングステイを趣味とする人には一般におなじみの言葉であり、説明するほどのことではないかも知れない。
ところで、フェイク(fake)という単語であるが、これは日本ではイソップ物語の原文でも読まない限り、アルファベットで4文字でありながら、あまり馴染みがない(英語に詳しい人には、知悉された単語であり、ご免なさい)が、海外ではよく使われる言葉なのだ。英和辞典に当たると、その意味は、「でっちあげる」や「捏造する」、「・・・のふりをする」「・・・を装う」などと出てくる。つまり、「だます」ことに関して表現される単語なのだ。
このフェイク”fake”が、タイで作成された英文の文書に頻繁に出てくるのに驚いたことがある。この文書を持参していた本人は、これは契約書(contract)であると言ったが、内容をよくみると、日本で言えば「念書」である。法律の素人が作ったような内容で、ほとんどが持参者の義務として書かれていた。それは、東南アジアなどで今はやりの、ダマシの仕掛けである国際金融証券の話である。この国際金融証券が現金化された場合には、その報酬として一定の割合の金員を支払うという内容であるが、国際金融証券が現金化されなかった場合には、高額な違約損害金を支払う、という義務が延々と書かれていたのだ。
ここにフェイクという単語がたびたび登場していた。国際金融証券がフェイクだったら、現金化されるという話がフェイクだったら、違約損害金を支払うということがフェイクだったら・・・と続いていたのである。その文書の持参者は、タイのロングステイから帰ってきたばかりの人だった。そして、恐ろしいことに、その文書には、その持参者のサインがあったのである。
東南アジアなどで今はやりの、国際金融証券やある国の国債証券などの話は、大方、フェイクであるので注意しよう。そんなに利益の出るうまい話があったら、他人を介在させないで自分で利益を得ようとするのが、ビジネスの世界だ。フェイクに注意! これは日本国内でも同様だ。
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