人気の動かない動画
不思議なことに今日、再生回数の多い人気のYouTubeの動画に、動かない動画がある。これの再生回数が多いということは、日本にも意識の高い人たちが多いことを想像させる。
東京電力の福島第一原発事故により、子供の45%が甲状腺被曝していたというニュースが今日の新聞朝刊1面トップに載った。福島県の0~15歳の1150人を3月下旬に内部被曝検査をした結果であるという。(参照:2011年8月18日発行、朝日新聞朝刊<東京本社刊第13版>第1面)
京都大学原子炉実験所助教の小出裕章先生は原発事故後、いち早くこのことを心配して指摘していたが、それが事実となってしまっていたのだ。しかし、日本政府も東京電力も、この事実の開示が遅すぎるのではないか。人の健康を蝕む「放射能」という見えない障害に対する注意喚起と的確な対応があまりにも遅すぎるのだ。この件は、当事者の責任の所在を明らかにして、後の世の教訓として残しておく必要があるであろう。
原発事故により飛散した放射線種や放射量などのデータの開示と除染や退避誘導などの的確な対応が遅すぎることによって、放射線被曝による人の健康への影響が心配される。除染活動も端緒についたばかりだ。遅々として進んでいない。
また、除染活動により、本当にその環境が人の住める安全な環境に戻るのだろうか。そのまま避難しておいたほうが人の健康にとって安全な場合もあるのではなかろうか。
最近明らかになったニュースによると、福島原発事故では、3月12~15日、16日ぐらいの間に集中して放射性ヨウ素が放出されたという。放射性ヨウ素を体内に取り込んだ場合に特に影響を受けやすいという子供たちに甲状腺ガンなどが多発することが懸念される。甲状腺の内部被曝した子供たちへの注意深い経過観察が必要だ。
この原発事故についての情報開示の意図的遅滞などの「情報隠し」や「事実の不告知」、「虚偽の事実の告知」などがあった場合に、これを不問に付すとなると、日本の刑事法体系の中で大きく権衡を失することになるだろう。また、原発事故がここまで深刻な事態になった原因に人の故意や注意義務違反があった場合に、それを不問に付す場合も同様である。
ところで最近、日本原子力学会という組織が、原子力発電所事故の責任逃れのために、原子力関係者の責任を追及しないで欲しい旨の声明を出した。冒頭の動かない人気の動画は、このことに対して、京都大学原子炉実験所助教の小出裕章先生が疑問を述べているMP3TUBEの映像だ。
次のURLから視聴できる。
http://www.youtube.com/watch?v=t4r9z82AUCE
この東京電力の福島第一原発事故は、事故の原因、経過、対応、情報の開示の仕方などを含めて、一切の事実を再検証し、きちんと責任の所在を明らかにし、刑事事件としても、過失を含め、違法性と責任を検証すべきである。今後、同様の重大事故を起こさないためにも、これらを不問に付してはならない。
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